もうすぐ春が訪れます。就職や進学や単身赴任などで人生初のひとり暮らしをはじめる人も多いこの時期、「一番大切なこと」を伝えるツイートがネットで耳目を集めています。

 『この時期になると「春から一人暮らしをはじめる人」に対して何か含蓄のあるようなこと言って人生の先輩ヅラする人が増えますが、誰も一番大切なことを伝えていないので私が言います。「海苔は自分で買おうとすると高くてびっくりするので覚悟しておいてください」』という投稿をしたのは、フリーのグラフィックデザイナー、加藤広大さん(@SMI2LE)。音楽や映画のコラムの執筆、 バーテンダーとマルチに活躍しています。加藤さんは続けて、「宣伝はしませんが、私はあなたのお母さんでも家族でも、むしろごく一部を除いて知り合いですらないことは宣告させてください」と投稿しています。

 加藤さんのツイートへの反響はすさまじいものが……。まず、感想として「ホントそれ」「今日ふんぱつして600円の海苔を買った」といった海苔にまつわるもの。また、ひとり暮らしをして安くないことに気づいた別の食品や、日常品などが挙げられていきました。その他では、実家では当然だった「トイレットペーパーの補充」や「洗濯物がたたんで返ってくる」に触れ、お母さんありがとうと感謝を述べる人。さらには、ひとり暮らしをはじめて編み出した節約術を伝授する人などもいました。

 ひとり暮らしをして安くないと気づいた海苔以外のものとして多かったのは、明太子でした。これには、九州北部出身の筆者も納得です。確かに、お土産で指名買いするような老舗ブランドに限らず明太子ってお財布に優しくないお値段しますよね。それでいて、多くの九州出身者の実家には常備してある明太子。帰省のときなどにご飯のおともとして出てきたら殊更ありがたくいただくとしましょう。

 加藤さんに寄せられた意外と高い食品には、乾物系の食品が目立っています。加藤さんのツイートに登場する海苔を筆頭にわかめ、昆布といった海藻類や乾燥しいたけ、茶葉がならんでいました。次いで、野菜や果物の高さには驚いた人が続出。はちみつやバターも意外に高いと嘆く声もありました。一方、ひとり暮らしの味方として、安価で手に入れることができる食品を挙げる人も多く、納豆、卵、もやしは鉄板のようです。ただ、足がはやいもやしは、意識して早めに食べる必要がありますね。

 はじめてのチャレンジには不安と期待がつきもの。ひとり暮らしも例外ではありません。加藤さんのツイートにあるように、ここで先輩面するのは興ざめかもしれません。この春のひとり暮らしデビューを飾るみなさんに、楽しいことも不安なことも経験なので危険なこと以外はひと通り味わってみてほしいな、とかつてひとり暮らしビギナーだった筆者からそっとエールを送りたいと思います。

<記事化協力>
加藤広大さん(@SMI2LE)

(山口さゆり)