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ブリティッシュ・エアウェイズ100周年記念塗装機 第2弾・第3弾が登場

 2019年に創設100周年を迎えた、イギリスを代表する航空会社ブリティッシュ・エアウェイズ。これを記念して、4機の特別塗装機が用意されることになっています。2月にはその第1弾として、往年のBOAC(英国海外航空)時代の塗装を再現したボーイング747-400(B-BYGC)が登場。ロンドン(ヒースロー)~ニューヨーク(ジョン・F・ケネディ)線を皮切りに、空を飛び始めました。3月に入って特別塗装機の第2弾と第3弾もお披露目され、同じく路線に投入されています。特別塗装機第2弾はBEA(英国欧州航空)時代の塗装を再現したエアバスA319、そして第3弾は1984年~1997年に採用されていた「ランドーデザイン」を再現したボーイング747-400です。

  •  1919年に創設され、ロンドンとパリを結ぶ世界初の国際線を運航したエアクラフト・トランスポート&トラベル・リミテッド(AT&T)などを源流に持つブリティッシュ・エアウェイズ。創設100周年を迎えた2019年、年間を通して様々なイベントを計画しています。そのひとつが、往年の塗装を再現する4機の特別塗装機です。

     第二次大戦後、ブリティッシュ・エアウェイズは長距離国際線を担うBOACと、国内線およびヨーロッパの近中距離路線を担うBEA(英国欧州航空)の2社に分社化されました。第1弾の特別塗装機がBOACだったので、第2弾は当然、BEA塗装の再現となりました。再現するのは、1959年~1968年の期間に採用されていたもの。

     近中距離のヨーロッパ路線を担ったBEAでしたから、特別塗装機は同じく国内線とヨーロッパを結ぶ近中距離路線を飛んでいるエアバスA319に決定。抜擢されたのは、登録記号G-EUPJです。

     特別塗装が行われるA319(G-EUPJ)は、アイルランドのシャノン空港に隣接する工場で塗装が行われました。塗装が終わり、ヒースロー空港にやってきたのは2019年3月4日のことです。フェリーフライトの副操縦士は女性でした。


     ヒースロー空港では、往年のBEA時代を再現した制服の客室乗務員も出迎え、記念撮影が行われています。このBEA再現塗装のA319は、国内線のロンドン~マンチェスター線から路線投入されました。



     第二次大戦後のBOACとBEAを再現した特別塗装機が登場し、第3弾のモチーフはどうなるか注目を集めていましたが、2019年3月1日に発表されたデザインは、1984年~1997年の期間に採用されていたものでした。これはデザイナーのウォルター・ランドー(Walter Landor)率いるランドー・アソシエイツによるデザインで、ファンからは「ランドー塗装」の通称で呼ばれているもの。


     このランドー塗装機に抜擢されたのは、B747-400の登録記号G-BNLY。第1弾のBOAC塗装機と同じく、アイルランドのダブリン空港に隣接するIACの工場で塗装が実施されました。

     垂直尾翼には当時のキャッチフレーズだった「TO FLY TO SERVE」が記されたエンブレム。そして、当時は保有機材それぞれにイギリスの都市名がつけられていたのですが、この特別塗装機には、新たに「City of Swansea」の名が与えられました。Swansea(スウォンジー)とは、かつて銅の鉱山で栄えたウェールズ南部にあるウェールズで人口第2位の都市です。



     塗装が終了し、ヒースロー空港へやってきた3月9日は、これまでと同じように当時の制服を再現した職員がお出迎え。胴体部分の白(上)と紺(下)の塗り分けは、現在のものよりも少し紺の面積が広くなっています。これも20年以上前のデザインなんですね。


     この特別塗装機第3弾のB747-400(G-BNLY)も、B747がブリティッシュ・エアウェイズから引退する2023年までの間、B747が投入されている路線に投入され、世界の空港で目にする機会があります。ブリティッシュ・エアウェイズでは、最後の特別塗装機のデザインを2019年3月中に発表することとしています。このほか、ブリティッシュ・エアウェイズ創設100周年特設サイトでは、これまでの歩みなど様々なコンテンツが用意されています。

    Image:British Airways

    (咲村珠樹)

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