先日の日本に続き、国賓としてイギリスを訪問しているアメリカのトランプ大統領。訪問中にはノルマンディ上陸作戦から75年となる記念式典への出席も予定されています。これに先立つ2019年6月3日、イギリスに到着したトランプ大統領はバッキンガム宮殿を訪れ、エリザベス女王やチャールズ皇太子をはじめとするロイヤルファミリーと面会。王室を警衛する近衛兵の儀仗を受けました。
大統領専用機VC-25(コールサイン:エアフォース・ワン)に乗り、6月3日の9時(現地時間)にロンドン郊外のスタンステッド空港に到着したドナルド・ジョン・トランプ大統領とメラニア夫人。まずはイギリス空軍の儀仗隊が整列して、パッセンジャーステップを降りる大統領夫妻を出迎えます。メラニア夫人はイギリスを意識したのか、イギリス国旗ユニオンジャックに使われている紺、赤、白のブラウスとスカーフを着用しています。
ロンドンの空の玄関といえばヒースロー空港を思い浮かべる方も多いと思いますが、アメリカ大統領は2008年のジョージ・W・ブッシュ氏の公式訪問以来、ヒースロー空港ではなく、LCCが本拠を置くこのスタンステッド空港を到着地に選んでいます。これはスタンステッド空港が第二次世界大戦中、イギリス空軍とアメリカ軍が共同で使用する飛行場だったため、テロ(暗殺)などのリスクを考えた際、セキュリティ面で有利だということが理由だと考えられています。
大統領夫妻はここで、事前に現地へ輸送していたアメリカ海兵隊の大統領専用輸送ヘリコプターVH-3D “ホワイト・トップ”に乗り込み、コールサイン「マリーン・ワン」としてロンドン市街地へと移動します。
大統領夫妻を乗せたVH-3Dは、エリザベス女王の招待により、バッキンガム宮殿のウエスト・ガーデンへ着陸。この際、ロンドン塔では名誉砲兵隊(HAC)、そしてロンドン中心部のグリーン・パークでは王立騎馬砲兵隊により、それぞれ最大級の敬意を示す41発(通常の21発に加え特別な20発)の祝砲が実施されています。
高齢のエリザベス女王に代わり、ヘリコプターのそばまで行ってトランプ大統領夫妻を出迎えたのはチャールズ皇太子夫妻。宮殿ウエスト・テラスで女王の出迎えを受けた大統領夫妻は、ハミシュ・ハーディ大尉率いる近衛兵グレナディアー・ガーズのナイメーヘン中隊による儀仗を受けます。
チャールズ皇太子とともに儀仗隊の閲兵を行うトランプ大統領。日本の特別儀仗隊、陸上自衛隊第302保安警務中隊の青い特別儀仗服装も鮮やかですが、グレナディアー・ガーズ伝統の赤い服装も華やかです。その後宮殿内では歓迎の昼食会が開催されました。
トランプ大統領夫妻のイギリス訪問は3日間の予定。この中にはポーツマスのサウス・シー・コモンで開催される「D-デイ(ノルマンディ上陸作戦)75周年記念式典」に参列することも含まれています。
<出典・引用>
イギリス王室 プレスリリース
Image:Crown Copyright 2019
(咲村珠樹)