BAEシステムズは2019年9月18日(現地時間)、アメリカ海軍の駆逐艦ステザム(DDG-63)とディケーター(DDG-73)の2隻が10月に、カリフォルニア州サンディエゴにある同社の最新ドライドックに初めて同時入渠すると発表しました。
ステザムとディケーターの両駆逐艦が入渠するのは、2017年に完成したサンディエゴの「プライド・オブ・カリフォルニア」ドック。長さ950フィート(約290m)、幅160フィート(約49m)、受け入れ可能な最大排水量5万5000トンという、サンディエゴ最大規模のドライドックです。
2隻の駆逐艦が同時に入渠する「タンデムドッキング」をこのドックで行うのは、今回が初めて。ステザムとディケーターの全長はどちらも505フィート(約154m)なので、単純に縦に並べるとドックの長さが足りません。しかし広い横幅を利用して、艦を互い違いに入れることで2隻が同時に入渠することができるのです。
2隻を1か所のドックで同時に整備することで、別々に行うのと比較して占有するドックの数も、ドック入りの期間も短縮することが可能。整備を発注する海軍側も、予算と期間の削減につながります。
BAEシステムズのサンディエゴ艦船補修所ゼネラルマネージャ、デイビッド・M・トーマスJr.氏は「2隻のミサイル駆逐艦を同時にドック整備できるという能力は、海軍のお客様にとって水上艦戦力の直面する要求と近代化において、貴重な時間を増やすことにつながります」と、今回のタンデムドッキングについてコメントしています。
両艦は2019年10月からドライドックに入り、整備が行われます。ドックから出た後は、選択的追加整備(EDSRA)を行い、2020年10月に全ての作業が完了する予定となっています。
<出典・引用>
BAEシステムズ プレスリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)