おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

「日本博」広報大使に黒柳徹子さん就任 3月のオープニングセレモニーでは「刀剣乱舞」もフィーチャー

 文化庁と独立行政法人 日本芸術文化振興会は2019年より、日本が誇る様々な文化を世界中の人々に知ってもらう「日本博」を展開しています。オリンピック・パラリンピックが開催される2020年1月15日、その広報大使に黒柳徹子さんが就任しました。

  •  この「日本博」は、多彩な日本の文化や美を世界中の人々に知ってもらおうという、文化庁と独立行政法人 日本芸術文化振興会が中心となって進める取り組み。各地で「日本の美」を体現する美術展や舞台芸術公演、文化芸術祭などを展開する、まさに日本を丸ごと知ってもらうためのものです。

     あいさつに立った萩生田光一文部科学大臣は「女優としての活動だけでなく、UNICEF親善大使として国内外の方々に親しまれる存在」と黒柳徹子さんに日本博広報大使をお願いした理由を挙げ「ご就任を契機に、オリンピック・パラリンピックが開催されるこの年から、広く国内外の皆様に『日本博』が認知され、より一層日本文化に興味、関心を持っていただければ幸いです」と語りました。

     黒柳さんは、和服を仕立て直したような衣装で登壇。日本の美と西洋の文化が融合しているようなファッションです。

     萩生田大臣から黒柳さんに、日本博広報大使の任命書が手渡されます。



     黒柳さんは「皆さんご存知のように、日本は大変古い文化を持った国でございます。そういったことを若い方たちや、外国の方たちにも分かっていただけるよう、頑張るつもりでおります」と意気込みを口にしていました。

     トークセッションには、萩生田光一文部科学大臣、黒柳徹子さん、河村潤子日本芸術文化振興会理事長が登壇し、世界に知ってもらいたい日本の美について語られました。

     萩生田大臣は2019年のラグビーワールドカップを振り返り、大会マスコットが歌舞伎舞踊の連獅子をモチーフとしていたり、選手入場などでの和太鼓や鎧兜が外国の選手たちに好評だった(中には「鎧兜姿でハカをしたい」という声もあったとか)ことを挙げ、勇ましい中にも美を宿す武士の文化をもっと知ってもらいたいと語っていました。

     黒柳さんは「和服をもっと知ってほしい」とのこと。1960年代に単身ニューヨークに渡り、演劇の勉強をした思い出の中で、振り袖を着て外出していたら、行く先々で評判になったお話がありました。

     チャップリンに面会した時に、戦前の訪日が印象的だったらしく「日本の人たちに愛していると伝えてほしい」と歓迎されたり、イースターパレードでは数多くの人に写真を撮られたという話から「若い方も着物の魅力をもっと知ってほしい」と語っていました。

     河村理事長は、海外で鎧兜の展覧会をしたところ、西洋甲冑にはない色とりどりの具足が評判になったというお話がありました。また、歌舞伎を知ってもらうため、6か国語の音声ガイドを用意して公演を見てもらったところ、歌舞伎の中にある様々な美の仕掛けが理解できて好評だったそうです。

     最後に河村理事長から、3月14日に東京・上野の東京国立博物館前庭で開催される日本博オープニング・セレモニーと、関連イベントの概要が語られました。古来日本人が愛でてきた雪月花をモチーフに、UNESCO世界文化遺産のアイヌ古式舞踊(鶴の舞)や、“とうらぶ”ことミュージカル「刀剣乱舞」の刀剣男士(髭切・膝丸)がフィーチャーされたセレモニーです。

     このほかにも第2部には笙や日本舞踊、胡弓に声明、能や尺八、文楽、琉球歌三線、合唱に歌舞伎まで登場する記念公演「月雪花にあそぶ-日本の音と声と舞-」もあり、まさに日本文化をギュッと濃密なエッセンスにした音曲と舞が展開されるとか。また、日本の自然をモチーフにしたプロジェクションマッピングも行われます。この様子は、すぐそばの上野公園噴水広場でパブリックビューイングが行われるとのこと。

     このほかにも1年を通じ、日本各地で様々な「日本の美」を体験できる催しが開催されます。古くからの伝統的な美だけでなく、夏にはまんが、アニメ、ゲーム、特撮などといったメディア芸術や、先端芸術を紹介するイベントも開催されるとのことで、日本を訪れた外国人だけでなく、日本人も今まで知らなかった美を「日本博」で発見するかもしれません。

    取材協力:文化庁/独立行政法人 日本芸術文化振興会

    (取材・撮影:咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • ミッドサマー(夏至祭)/北欧パビリオン(@nordicexpo2025)6月15日投稿より引用
    イベント・キャンペーン, 経済

    万博で「ミッドサマー」体験ができる!北欧パビリオンの告知にざわめきも?

  • 著作権者不明でも合法利用? 2026年スタート「未管理著作物裁定制度」とは
    社会, 経済

    著作権者不明でも合法利用? 2026年スタート「未管理著作物裁定制度」とは

  • インターネット上の海賊版による著作権侵害対策情報ポータルサイト
    インターネット, 社会・物議

    クリエイターに朗報 文化庁がネット上の著作権侵害等に対する権利行使を支援

  • ひなまつり家族写真撮りました
    インターネット, おもしろ

    26年前に撮影されたひなまつりの写真 可愛かった少女が成長し……んんっ!?

  • ネパールの子らに大人気だった日本の「おむすび」(日々のネパール情報さん提供)
    インターネット, びっくり・驚き

    漫画やアニメで見た実物に大喜び 「おむすび」をネパールの子らが初体験

  • 写真:山口弘剛
    季節・行事, 雑学

    小正月の「どんど焼き」はどんな行事?各地で名称が違うことも

  • 画像提供:アルトゥルさん(@ArturGalata)
    インターネット, おもしろ

    外国人には謎だらけな日本食の名前 かっぱ巻き→伝説の化け物を巻いた!

  • パパの布団だけ「蚊帳の外」状態に(月岡祐介さん提供)
    インターネット, おもしろ

    子を思う親心が招いた悲劇!? パパさんだけが「蚊帳の外」

  • 画像提供:アルトゥル 日本推しラトビア人さん(@ArturGalata)
    インターネット, おもしろ

    笑撃!なぜラトビア人がコナミコマンドを!?

  • 「アルトゥルと行く!不思議の国・ジャパン」
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    日本推しラトビア人 初の著書「アルトゥルと行く!不思議の国・ジャパン」刊行

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 民放連、アニメ作品の“そっくり映像”出回り懸念 生成AIに声明
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    民放連、アニメ作品の“そっくり映像”出回り懸念 生成AIに声明

  • 欧州連合の旗(写真ACより)
    インターネット, 社会・物議

    EU、ネット上での児童性被害対策を強化 日本企業にも影響広がる可能性

  • ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応
    ゲーム, ニュース・話題

    ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

  • ロッテ「雪見だいふく」が立体パズル化 メガハウスが11月下旬に新商品
    商品・物販, 経済

    ロッテ「雪見だいふく」が立体パズル化 メガハウスが11月下旬に新商品

  • 100tハンマー
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    伝説のコンビを追体験 40周年「シティーハンター大原画展」上野で12月28日まで…

  • 韓国発の人気激辛「ブルダック」がじゃがりこに 1年4か月かけた再現度に注目
    商品・物販, 経済

    韓国発の人気激辛「ブルダック」がじゃがりこに 1年4か月かけた再現度に注目

  • トピックス

    1. 善意の通報が“誤報”に変わるAI時代 女川町のクマ騒動が示した危険性

      善意の通報が“誤報”に変わるAI時代 女川町のクマ騒動が示した危険性

      宮城県女川町が11月26日、公式Xで発信した「クマ出没情報」が、後に「生成AIによるフェイク画像」に…
    2. 派手なピンクに「マヂでアゲ」……道端に突如現れた「ギャルすぎる工事看板」が話題

      派手なピンクに「マヂでアゲ」……道端に突如現れた「ギャルすぎる工事看板」が話題

      「とても茨城県」というつぶやきとともに、Xに投稿された一枚の写真。そこには、一般的な工事現場のイメー…
    3. この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      学生時代、入りたくても入れない「聖域」のような場所だった職員室。その風景を再現し、自由に探索できる展…

    編集部おすすめ

    1. ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

      ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

      バーチャルタレント事務所「ホロライブプロダクション」を展開するカバー株式会社は公式Xにて11月25日、同社のバーチャル空間プロジェクト「ホロ…
    2. エビの代わりに「パイの実」投入!ロッテ公式が送るエビチリアレンジに目を疑う

      エビの代わりに「パイの実」投入!ロッテ公式が送るエビチリアレンジに目を疑う

      ロッテは自社商品の各ブランドサイトで、アレンジレシピを公開しています。その中に「パイの実」をエビチリソースと卵で炒め合わせた「チリ玉パイの実…
    3. 100tハンマー

      伝説のコンビを追体験 40周年「シティーハンター大原画展」上野で12月28日まで開催

      「シティーハンター」連載開始40周年を記念した原画展「シティーハンター大原画展~FOREVER, CITY HUNTER!!~」が、11月2…
    4. 宝塚・宙組特別メニューから“酢”消える 「酢が退団?」とSNSざわつく

      宝塚・宙組特別メニューから“酢”消える 「酢が退団?」とSNSざわつく

      11月22日午前、X(旧Twitter)のトレンドに「宙組公演特別メニュー」が一時浮上し、ファンの間で大きな話題となりました。きっかけとなっ…
    5. ミラノで開催「IQOS Curious X Sensorium Worlds」現地取材 五感に響いたIQOSの“世界観”

      ミラノで開催IQOS X SELETTI「Sensorium Worlds」現地取材 五感に響いたIQOSの“世界観”

      フィリップ モリスが、イタリアでイベント「Sensorium Worlds」を開催。今回は、この壮大なイベントの模様とともに「IQOS To…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト