アメリカ海兵隊の新しい大型輸送ヘリコプター、CH-53Kキングスタリオンの空中給油試験がメリーランド州とヴァージニア州にまたがるチェサピーク湾上空で実施され、成功したとアメリカ海軍が2020年4月14日(現地時間)に発表しました。
老朽化したCH-53E輸送ヘリコプターの後継として採用されたCH-53K。キャビンが拡張されたほか、エンジン出力を増強し、より輸送能力が高められています。海兵隊では2018年から、CH-53Kの開発試験を続けてきました。
空中給油試験は4月6日に実施されました。メリーランド州のパタクセントリバー海軍航空基地を離陸したCH-53Kは、チェサピーク湾上空でKC-130J空中給油機と合流。4時間半にわたる試験で、様々な状況での空中給油を実施しました。
KC-130Jは、主翼に装着された給油装置(ドローグ)から航空機に給油する方式のため、空中給油する際には、KC-130Jの強力なプロペラ後流(乱気流)に入らなければなりません。ヘリコプターにとっては非常に厳しい条件なのですが、その中で安定して給油に成功したことは、CH-53K開発計画にとって大きな一歩となりました。
H-53ヘリコプター計画(PMA-261)のプログラム・マネージャーを務めるジャック・ペリン大佐は「今回の空中給油成功で、CH-53Kは主力長距離輸送ヘリコプターの能力を証明しました。すべての条件で望ましい性能を満たし、K型は現在から将来にわたって長距離輸送の後ろ盾となってくれるでしょう」とコメントしています。
CH-53K計画は当初の予定より遅延しており、現在のところ運用試験を2021年に開始するとしています。実戦部隊への配備は2023年から2024年を見込んでいます。
<出典・引用>
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)