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ロシアでの国際調理兵コンテスト最終ステージ 地元ロシアが勝利

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 ロシアで開催されている軍人たちのオリンピック「国際アーミーゲーム」の中で、もっとも平和な競技とされる調理兵の「フィールドキッチン」。最終ステージが開催され、コース料理と食事の基本となる食パンづくりが競われました。どれもおいしそうなメニューやパンが並ぶ中、優勝は地元ロシア、準優勝にベラルーシのチームが輝いています。

  •  各国の調理兵たちが、普段の訓練で磨いた料理の腕を競う「フィールドキッチン」競技。設備の整った厨房設備ではなく、軍人らしく野戦用炊事器具を使用して調理するため、ミリタリーな装備と出来上がった料理とのギャップも面白い競技です。

     競技に参加しているのは地元ロシアのほか、アブハジア、アルメニア、ウズベキスタン、ベトナム、ベラルーシの6か国。第1ステージはベラルーシがトップ。冷製オードブルとバラエティ豊かなパンづくりが審査された第2ステージでは、地元ロシアがトップとなり、いよいよ最終ステージが実施されました。



     最終ステージでは、コース料理と食パンという、食事を構成する要素全体をバランス良く仕上げる総合力が争われました。調理に使われるのは、開催国であるロシアが用意した野外炊事器具装備です。参加各国も同様の装備を使っており、条件はほぼ平等といえます。







     軍人とはいえ「プロの料理人」としての腕が審査対象なので、出来上がった料理やパンにばらつきがあっては困ります。そのため、審査ではパンの重量を計測するなど、出来栄えや盛り付けが平均化されているか慎重に見極められます。




     もちろん、パンはきれいに焼けているか、生地の発酵がうまくいっているか、中を割って断面の様子を確認。押してふわふわ、もちもちの加減まで審査した上で、味わいを審査します。


     参加各国の審査員による厳正な審査の結果、総合優勝に輝いたのは地元ロシア。軍の規模が大きいため、より優れた調理兵でチームを組める利点もありますが、地元だけに優勝を期待されるプレッシャーにもさらされ、第1ステージで後れを取ったにもかかわらず、見事な逆転劇でした。

     準優勝はベラルーシ。第1ステージでトップに立った勢いを維持しました。第3位に第2ステージで2位をマークしていたウズベキスタンが入っています。


     審査委員長のマキシム・アントノフ大佐(ロシア)は「どのチームも出来栄えは優秀で、プロとしての調理スキルは年々向上しているため、毎年チームを審査することがますます難しくなっています」と、競技レベルの高まりについて嬉しい悲鳴をあげています。この点はほかの競技と違い、芸術性や味を審査する競技ならではの難しさですね。


     競技としての「フィールドキッチン」は終了しましたが、出場チームには最後の大仕事が待っています。国際アーミーゲーム最終日の9月5日は、競技会場のアラビノ訓練センターで、大勢のゲストや各競技の出場選手をもてなす「マスタークラス」が開催されるのです。

     体操競技の「ガラ」、フィギュアスケートの「エキシビジョン」と同じく、各国の調理兵は自国の民族料理をはじめとする様々な料理を提供。来場者の目と舌を楽しませることになります。

    <出典・引用>
    ロシア国防省 ニュースリリース
    Image:ロシア国防省

    (咲村珠樹)

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