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遊び方はユーザーにおまかせ SF感漂うメカヘッド「マスクヘルムJ9&T7」

 愛知県名古屋市でフリーの工業デザイナーとして活動する黒川祐介さん(以下、黒川さん)は、人と一体化するプロダクトデザインを得意とする人物。

 “取扱品目”は、笠・靴・ヘルメットなど多様。2022年2月6日に千葉県の幕張メッセで開催された造形イベント「ワンダーフェスティバル(ワンフェス)」では、SFチックなヘルメット(メカヘッド)を出展しました。

  •  「幕張は晴れです。本日はよろしくお願いします!6-11-11 ブラックロケットラボ」

     そんなつぶやきとともに、ワンフェス当日の出展ブース風景を紹介した黒川さん。最前列にズラリとヘルメットらしきものが陳列されています。ちなみに黒川さんにとって、今回がワンフェス初出店。同じくメカヘッドクリエイターであるNoMuRさん(@nomusan400)との共同で出展されました。

    ワンフェス当日のブース風景をツイートした投稿者。

     どことなくサイバーパンクの世界を連想するような、流線型のデザインが目を引きますが、これらは黒川さんが「マスクヘルム」と名付けたオリジナル作品。写真真ん中から奥に写るスクリーンと角が特徴的な「J9」と、手前に写るフェイス部分に文字が書かれている「T7」の2タイプで展開。いずれも3Dプリンタによって出力造形したものです。

     「『ブラックロケット』と呼ばれる、『架空の遺跡からデータを取り出したオブジェクトを現代技術で再現』というオリジナル設定のSFの世界観で作っています。作品それぞれにも、簡単にですが時代設定もしています」

     自身の作品について、そのように語る黒川さん。

     今回展示したJ9とT7に関しては、「数千年前の月面の合戦で使われたという言い伝えのある宇宙兜です。簡単に言えば『使うと何かがヤバイ』という設定ですね」と語るJ9から、出力部品数を半分以下に集約したT7という関係性。

     「J9シリーズは、前面に透過型のシートを使って視野角を広く確保することを重視しており、『宇宙服スタイル』としての遊びをイメージしています。ただ、改修型の『J90』も含めて、それぞれの部品をミックスしたアレンジも可能なのですが、出力部品数が30を超えるので、カスタマイズに手間が必要です」

    視野角を広く確保した「宇宙服スタイル」のJ9。

    改修型の「J90」も含めて、各パーツでのアレンジが可能。

     「それを考慮して作ったのが『T7』です。部品点数をJ9の半分以下に集約しました。プレーンで、『量産型』を意識したフォルムの面の真ん中に文字を配置しているのが特徴で、この部分は印刷シールにしているので、各々の好きに自作することも可能にしています」

    3D出力部品数を減らし、真ん中に文字を入れた「量産型」Z7。

    ワンフェス用の新作でもあります。遊びやすさに特化したモデル。

     また黒川さんによると、今回のワンフェスに合わせて作ったのがT7。「遊びやすさ特化モデル」として生み出されましたが、“既製品”であるJ9に関しても、既に多くのユーザーが「#マスクヘルムJ9」というハッシュタグを付けながら、各々のスタイルで楽しまれている様子がTwitterで投稿されています。

     そこには、原型から大きくかけ離れたようなアレンジもあり、黒川さんの語る世界観とも逸脱しているようにも見受けられます。しかし、“創作者サイド”としては、それは寧ろ歓迎すべきとこなんだとか。

     「私が設定したものはどれも『数千年以上も過去の話』です。なので、現代世界でそれを使う人たちが設定をどうしようが自由なんですよ」

    <記事化協力>
    黒川祐介さん(@Yusuke_Kurokawa)

    ※初出時、開催会場の記載に誤りがありました。東京ビッグサイトではなく、千葉県の幕張メッセでした。訂正しお詫びいたします。

    (向山純平)

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