おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

拾い画のSNSアイコン利用はOK?NG?子どもへのネットリテラシー教育の必要性

 インターネットは今や我々の生活とは切って切り離せないもの。スマホやPCから、ありとあらゆる情報にアクセスできることは非常に便利である一方、使い方を誤ると時に痛い目を見ることも。

 それは例えば「著作権の侵害」。ネットにあった画像をなんとなくSNSのアイコンに使用していたりしませんか?ネットリテラシーに関する、母と娘の会話にツイッターで大きな反響が寄せられています。

  • 中2娘のLINEアイコンが変わっていたので「かわいい絵だね、どうしたの?」と聞いたら「ネットで見つけたヤツ」と言われ、あっ!となった。
    ここは説明をするいいタイミング。
    「それは好きに使っていいよって描いた人は説明文つけてた?」
    「見てないからわからない」
    「じゃぁ確認しようか」
    「書いてなかった」
    「じゃあすぐ変更しよう。ネットにあるもので使っていいものは【フリーアイコンです。ご自由に使ってください】って説明があったり、アニメやアプリの公式がイベントとかで配布してるものだけだと覚えといてね」
    「でも、友達はみんないろいろ使ってるよ?」
    あぁ、この年頃あるあるだよなぁ……みんながしてるんだから問題ないでしょってやつ……
    「聞くけど、娘ちゃんが描いた絵で友達もすごいほめてくれたのをツイッターとかに置いてて『この絵かわいい!使っちゃお』って知らない人が勝手にアイコンにしてたらどうする?」
    「すごいイヤ」
    「そういうことよ」
    と、さくっと納得してもらえたので、どんなにかわいいと思っても何も考えずにアイコンに使ったりするのはNGという約束をしたのである。
    こういうのも、メディアリテラシーとして教える必要があるんだなぁ……と実感した話でした。

     ツイッターユーザー・あやめさんは、複数回に分けてこのようにツイート。これは決して子どもだけでなく、大人でも陥りがちな誤った認識と言えるのではないでしょうか。

     プロのイラストレーターが描いた美麗なイラストや、好きなアーティストやアニメ・漫画のキャラクターの画像。自分でも使ってみたいと思ってしまいますが、これらには必ず著作権が発生しており、芸能人などが写った画像の場合は被写体の肖像権も存在します。つまり、権利者の許諾がない限りは、たとえ個人の非営利目的の利用であっても、基本法律で禁止されているのです。

     例外としてあるのが「私的利用目的」。認められているのは、個人スマホのホーム画面として使用したり、画像フォルダに保存して見て楽しんだり、といった「インターネット上にアップロードしない」パターンなどです。この場合であれば、著作権の中でも使用が許される範囲となりますが、やはり無用なトラブルを避けるため「保存しても良いか?」とたずねることはマナーとして必要でしょう。

     とはいえ、SNSを利用していると、こうした画像を無断でアイコンにしたり、投稿(公式の引用リツイートであれば可)したりしている人は後を絶ちません。これらは単純に「権利者から権利侵害の申し立てがないから使用出来ている」という状態に過ぎず、仮に権利者から訴えられたら損害賠償の責任が発生する恐れがある、と認識しておく必要があります。もちろん写真や画像を加工しての使用も同様です。

     中には自分が描いたイラストがアイコン等に使用されるのをうれしいと思う方もいるでしょう。しかし、それはあくまでごく一部であって、全員が同じ考えではありません。いずれにせよ、著作権所有者に使用許可を得ることは必要ですし、NOと言われれば使ってはいけないのです。

     また、いわゆる「フリー素材」としてサイト等で公開されている写真や画像についても、もちろん著作権は発生します。利用には登録が必要であったり、商用利用が禁止されていたり、加工の可否が規定されていたりと、サイトごとに細かく利用条件が異なりますので、規約をしっかり確認したうえで利用するようにしましょう。

     近年インターネットやSNS利用に関して、学校でもさまざまな教育がなされていますが、こうした著作権についてはあまり触れられていないように感じます。

     子どもにスマホやタブレットを持たせる場合、不適切な出会いやイジメといったトラブルに巻き込まれないように監視するのはもちろんですが、著作権についても、一度親子で話す機会を設けてみてはいかがでしょうか。

    ※初出時、著作権と肖像権について対象が曖昧になっていた表現、保存に関するマナーの説明、権利者から訴訟を提起された場合のリスクについて、より明確になるよう修正いたしました。

    <記事化協力>
    あやめさん(@ayamemama)

    <参考>
    総務省「著作権法改正で見直したい身近な使い方

    (山口弘剛)

    あわせて読みたい関連記事
  • ベビーカーに乗ってほしい娘にベビーカーのおもちゃを与えた結果……まさかの逆効果に
    インターネット, おもしろ

    ベビーカーに乗ってほしい娘にベビーカーのおもちゃを与えた結果……まさかの逆効果に…

  • 「マツモトキヨシに寄っていい?」母が発した何気ない一言に4歳息子が恐怖
    インターネット, おもしろ

    「マツモトキヨシに寄っていい?」母が発した何気ない一言に4歳息子が恐怖

  • 「二手に分かれよう!」 公園で出会った友だちとの“一緒に遊ぼう”に大人は困惑
    インターネット, おもしろ

    「二手に分かれよう!」 公園で出会った友だちとの“一緒に遊ぼう”に大人は困惑

  • 幼稚園イベントに行けなかった3歳娘のために……母が用意した「おうちぶどう狩り」にほっこり
    インターネット, おもしろ

    幼稚園イベントに行けなかった3歳娘のために……母が用意した「おうちぶどう狩り」に…

  • 危険なテレビ裏に突撃する我が子 近寄らせないために「化け物」を仕掛けた結果
    インターネット, おもしろ

    危険なテレビ裏に突撃する我が子 近寄らせないために「化け物」を仕掛けた結果

  • コストコのクマさん
    インターネット, おもしろ

    「クマさんが見てるよ」言っても聞かない我が子への“愛ある最終手段”

  • まさに育児あるある 探し物が見つかったのはまさかの「おもちゃの中」
    インターネット, おもしろ

    まさに育児あるある 探し物が見つかったのはまさかの「おもちゃの中」

  • 「ママ」と「パパ」を逆に覚えている?2歳児の言葉の使い分けが興味深い!
    インターネット, おもしろ

    「ママ」と「パパ」を逆に覚えている?2歳児の言葉の使い分けが興味深い!

  • 畑を見守る「ちっちゃいベテラン」 1歳児の後ろ姿が貫禄ありすぎ
    インターネット, おもしろ

    畑を見守る「ちっちゃいベテラン」 1歳児の後ろ姿が貫禄ありすぎ

  • 「1億点」獲得!硬筆教室で年長娘が叩き出した超高得点にほっこり
    インターネット, 感動・ほのぼの

    「1億点」獲得!硬筆教室で年長娘が叩き出した超高得点にほっこり

  • 山口 弘剛‌Writer

    記事一覧

    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 甘い囁きが筒抜けに……AI“彼女”アプリで個人データ漏洩 40万人分の会話・画像が外部公開状態に
    インターネット, 社会・物議

    甘い囁きが筒抜けに……AI“彼女”アプリで個人データ漏洩 40万人分の会話・画像…

  • サッカーブラジル代表、まさかの逆転負けでX更新ストップ 最後の投稿は「選手交代」
    インターネット, びっくり・驚き

    サッカーブラジル代表、まさかの逆転負けでX更新ストップ 最後の投稿は「選手交代」…

  • ローソン、店頭でリチウムイオン電池内蔵製品の回収を開始 守谷市・神戸市の4店舗で実証事業
    企業・サービス, 経済

    ローソン、リチウムイオン電池の回収を開始 守谷・神戸の4店舗で実施

  • プロライダーも顔負け?転びそうで転ばない、華麗なコーナリング技術を見せたワンコ
    インターネット, おもしろ

    プロライダーも顔負け?転びそうで転ばない、華麗なコーナリング技術を見せたワンコ

  • Skebがクリエイターへのチャージバック詐欺に警鐘 海外ユーザーからの前払い申し出に注意を
    インターネット, 社会・物議

    Skebがクリエイターへのチャージバック詐欺に警鐘 海外ユーザーからの前払い申し…

  • ベビーカーに乗ってほしい娘にベビーカーのおもちゃを与えた結果……まさかの逆効果に
    インターネット, おもしろ

    ベビーカーに乗ってほしい娘にベビーカーのおもちゃを与えた結果……まさかの逆効果に…

  • トピックス

    1. 藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      プロの声楽家として活動する傍ら、1時間1000円から自分の時間を「レンタル」している男性。キャリア豊…
    2. ドムドムが“カニまるごと”の衝撃バーガーを再販 新作コチュジャン味を食べてみた

      ドムドムが“カニまるごと”の衝撃バーガーを再販 新作コチュジャン味を食べてみた

      ドムドムハンバーガーは10月14日に、カニを丸ごと挟んだ「丸ごと!!カニバーガー」を販売開始しました…
    3. 丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が「ラーメン大好き小泉さん」とコラボ!小麦麺使用の新感覚「らーめん缶」を実食

      丸山製麺が10月6日から、人気ラーメン漫画「ラーメン大好き小泉さん」とコラボした「らーめん缶」を、東…

    編集部おすすめ

    1. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

      ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

      マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
    2. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
    3. 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信社は10月9日、自民党本部での取材中に「支持率下げてやる」などと発言した本社映像センター写真部の男性カメラマンを厳重注意したと発表し…
    4. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    5. ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      ネカフェの個室に不気味なトランプが……Xユーザーの“恐怖体験”に17万いいね

      キーボードに差し込まれたトランプのジョーカーと、その裏に書かれた「げぇむすたあと」の文字。Xユーザーの「たーけ」さんが、たまたま入ったネット…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト