ACアダプターや充電コードをはじめ、電化製品の多くは何かしらのコードやケーブルの利用を伴いますが、ねじれたままで使ったり、持ち運ぶ時にアダプターに巻き付けたりしていませんか?

 実はこれ、時に大きな事故につながりかねない、絶対に避けるべき使い方。つい先日SNSでも「コードの正しい巻き方」が話題になっていました。

 そこで今回は、電気シェーバーなどを取り扱う家電メーカー「マクセルイズミ株式会社」に協力をお願いし、メーカーの立場から正しい巻き方を教えてもらいました。NG例と共にその方法を紹介していきます。

■ さまざまな間違った使い方

 まず、スマホの充電器やイヤホン類にありがちなのが、コードの根本が大きく折れ曲がったまま使用しているパターン。

コードの根元が大きく曲がったままの使い方

 この方法で使い続けてしまったがために、コード内で断線、給電できなくなってしまったという方も多いのではないかと思います。筆者も何本スマホの充電コードをダメにしてしまったことか……。

 マクセルイズミの担当者によると、コード根元に負担がかかる使い方はもちろんNG。

 一般的に電線の太さの5~6倍の半径まで(※1:電線の半径が1mmとした場合、曲げ半径6㎜以下にならないようにする)が許容されていますが、これより小さな半径に曲げる(ねじる)とキンク(※2:電線のよじれやくびれ)により、コード内部の断線のリスクが高まってしまうとのことでした。コードを小さい円や8の字にするなど、コンパクトに束ねることも断線リスクが高まる要因になります。

8の字に束ねるのも危険

 また、アダプター類を持ち出す際にやりがちなのが、コードをアダプターにぐるぐる巻きにする方法。ドライヤーなどの小型家電でもやりがちな方法です。一見するとコンパクトに持ち運びでき、コードも絡まらず一石二鳥……に思えるのですが、これも間違った管理方法。

そのコードの巻き方合ってる?誤った方法で早期の故障や出火の可能性も

 これについては、「非通電時でも通電時でもコードを曲げる、ねじる、引っ張るなどの負荷がかかることに変わりはありませんので、避けるべき」と担当者。すぐにダメになるわけではありませんが同じ部分で何度も屈曲を繰り返すことが負担になり、後々断線の原因になることも。デメリットも多い方法だということは把握しておいた方が良さそうです。

 加えて、ドライヤーなどの消費電力が大きいものを使う場合や、大きな電流が流れるような機器を使用する場合であればなおのこと。電気が流れるとコードは熱を持ちますので、断線や出火のリスクがより高まります。絶対にねじれた状態や束ねた状態のまま使用しないようにしましょう。

コードがねじれたまま使うのもNG

■ できるだけコードの半径を大きくして巻く

 では、コード類はどのように管理するのが正解なのか?マクセルイズミの担当者は「できるだけコードの半径を大きく(大きな円で束ねるなど)して巻くことをお薦めします」

 また、「直ちに断線することはありませんが、繰り返しの屈曲が断線の原因になりますので、小さく曲げないというのを意識してお使いいただければ、製品を長くお使いいただけるかと思います」とのこと。

引き出しやキャビネットでの保管例

コードフックを使用した保管例

市販のドライヤーホルダーを使用した保管例

 もちろん巻かないことに越したことはありませんが、コードがあまりにも長すぎて邪魔になってしまう時などは、この方法で管理するのが良いでしょう。

 「根元に負担をかける」「巻き付けて持ち運びする」「小さく曲げて束ねる」「ねじれたまま使う」……こうしたコード類の管理方法が恒常的になっていないか、自身の使い方や、ご家庭の電化製品周りを今一度チェックしてみてください。

<記事化協力>
マクセルイズミ公式ツイッターアカウント(@maxell_izumi

<参考>
※1)日合通信電線株式会社「ケーブルの曲げ半径について
※2)株式会社愛香園「電気用語集キンク

(山口弘剛)