「うちの本棚」第二十回は、リメイクされた『鉄人28号』を取り上げます。
2004年4月に放送された今川監督版テレビアニメに合わせて連載されたオリジナルスートーリーによる長谷川版『鉄人28号』
横山光輝のオリジナル版に登場するライバルロボットを登場させながら全く新しい構成で読ませるところは今川アニメと共通しているが、それ以上に昭和30年代を舞台に設定しているところは今川版に合わせているのだろう。


とはいえロボットのデザイン、操縦器のデザインは30年代というのにはちょっとオサレすぎていたかも。
この作品ではドラグネット博士の娘、ケリーの妹という設定でアリスというヒロインが登場し、正太郎とともに活躍する。
ところどころくさいセリフも散見されるが、なかなかの名作に仕上がっていたと思う。
このままアニメ化というのもいいかもしれない。
操縦のままに動く鉄人と、知能を持ったブラックオックスという構図もよかったし、最後に見せる鉄人の行動は、特撮ドラマ版の『ジャイアントロボ』に通じるところがあった。

初出 講談社・マガジンZ(2004年・1月号~2005年2月号)
書誌 講談社・マガジンZKC(全3巻)

■ライター紹介
【猫目ユウ】
ミニコミ誌「TOWER」に関わりながらライターデビュー。主にアダルト系雑誌を中心にコラムやレビューを執筆。「GON!」「シーメール白書」「レディースコミック 微熱」では連載コーナーも担当。著書に『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』など。