イタリア空軍の新しいジェット練習機T-345A、その最初の2機が2020年12月23日(現地時間)、レッチェ県のレッチェ=ガラティーナ空軍基地に到着しました。T-345AはMB-339の後継機として、第61航空団でT-346Aとともに運用されるほか、曲技飛行チーム「フレッチェ・トリコローリ」でも使用されます。

 T-345Aは、レオナルドが開発したジェット練習機M-345のイタリア空軍での呼称。先に導入されたT-346A(M-346マスター)練習機が、より高度な戦闘機導入課程(第212飛行隊)で使用されるのに対し、初めてジェット機の操縦を学ぶ段階(第213飛行隊/第214飛行隊)で使用されるものです。

 現在、イタリア空軍のパイロット候補生が初めて操縦するジェット練習機は、1982年から運用が始まったMB-339。導入から40年近くが経過し、老朽化が進んでいたため、後継機としてT-345AとT-346Aを導入することになったのです。

 イタリア空軍が発注したT-345Aのうち、最初の2機は12月22日にレオナルドから引き渡されました。レオナルドの航空機部門を統括するマルコ・ゾフ氏は「私たちの伝統とジェット練習機における豊富な経験により、M-345はトレーニングの有効性を大きく向上させるとともに、運用コストの削減も実現できます。イタリア空軍へ最初のロットを引き渡すことができたのは、製造部門が長年にわたってオペレーターであるイタリア空軍と緊密な協力を続けた結果です」とのコメントを発表しています。

 レッチェ=ガラティーナ空軍基地では、イタリア空軍のアルベルト・ロッソ参謀総長が2機のT-345Aを出迎えました。ロッソ空軍参謀総長は「この新しい練習機の到着は、空軍と国全体だけでなく、この地域における長年の相乗効果の象徴といえます。最先端技術とスキルのおかげで、ますます高度化、複雑化する航空機搭乗員の育成をよりコストパフォーマンスよく実現できます」と、T-345Aがもたらす効果を強調しています。


 イタリア空軍では45機のT-345Aを調達予定で、T-346Aと合わせて近代的なパイロット育成訓練カリキュラムを構築します。T-345AとT-346の導入が進むにともない、137機あるMB-339は順次退役することになっています。

<出典・引用>
イタリア空軍 ニュースリリース
レオナルド プレスリリース
Image:イタリア空軍

(咲村珠樹)