現在運用試験を実施しているアメリカ海軍の最新鋭空母ジェラルド・R・フォード(CVN-78)。その着艦回数が2000回に到達したと、アメリカ海軍が2020年4月14日(現地時間)に発表しました。記念すべき2000回目の着艦となったのは、学生パイロットの中尉です。

 大西洋上で運用試験を続けている空母ジェラルド・R・フォード。従来の蒸気式カタパルトに代わる新世代の電磁式カタパルト(EMALS)をはじめ、航空機運用に関わる様々な装備が新しいものに代わっていることもあり、発着艦など航空機運用については入念なチェックが重ねられています。



 この一環で、将来フォード級に乗り組むパイロットの卵たちも初着艦訓練を行なっています。テキサス州のキングスビル海軍航空基地に所属する、第2訓練航空団もその1つ。フロリダ州沖で4月4日~11日に発着艦訓練を実施しました。

 この訓練に参加したのは、第21訓練飛行隊“レッドホークス”の学生パイロット25名と飛行教官5名。期間中に411回の着艦を行いました。


 記念すべき通算2000回目の着艦となったのは4月8日のこと。ケイド・ウォーリック中尉の操縦するT-45Cゴスホーク267号機(ビューローナンバー:165067)が、その幸運なパイロットと飛行機になりました。

 アメリカ海軍のパイロット養成課程で空母運用試験を担当する、第7訓練飛行隊長のマイケル・ポー中佐は「空母運用試験は訓練課程において、学生が実際の空母へ配属される前の極めて重要な段階です。学生たちは、空母フォードのチーム全体による重要かつ素晴らしい協力なしには、一人前のパイロットに一歩近づくことはできなかったでしょう」と、フォード乗組員の協力に感謝するコメントを発表しています。

 空母フォードを使った学生パイロットの発着艦訓練は、第2訓練航空団のほか、ミシシッピ州メリディアン海軍航空基地の第1訓練航空団に所属する学生パイロットらも参加。学生パイロットは事前に陸上の滑走路を空母に見立てた着艦訓練(FCLP)を実施し、試験をクリアしたのちに実際の空母に向かいます。訓練は昼間に実施され、学生パイロットは初めてのカタパルト発艦や、陸上と違って波で揺れ動く空母の飛行甲板への着艦を繰り返し、一人前のパイロットへと成長していくのです。


 ちなみに艦名の由来となった第38代アメリカ大統領のジェラルド・ルドルフ・フォードですが、自身も第二次世界大戦中に海軍士官となり、軽空母モンテレー(CVL-26)の航海士としてマリアナ沖海戦や沖縄攻略戦などに参加した“空母乗り”でした。

<出典・引用>
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy

(咲村珠樹)