横浜の新しい観光名所となっている「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」。期間限定で開設されており、実物大の動くガンダム像が有名です。

 2021年4月、この動くガンダム像前でアメリカ海軍の「再入隊式」が行われました。現役復帰する本人が大のガンダムファンだったため、ここでの再入隊式を希望し、海軍が受け入れたのだとか。このほかにも海底など、変わった場所で行われることがあるようです。

 一旦現役から退いた軍人が現役に復帰する「再入隊」。英語では「Reenlistment」といいますが、新兵訓練をやり直すことなく、即戦力として元の階級で復帰します。

 この際、改めて服務の宣誓をし、任用する辞令を受け取る「再入隊式」というものが行われるのですが、アメリカ海軍の場合、極力本人の希望を受け入れた場所で実施されます。

 動くガンダム像前で再入隊式を行ったのは、補給員のシェーン・ラビーチ2等兵曹。神奈川県横須賀市に所在する、艦隊物流センター横須賀(NAVSUP FLC Yokosuka)にて現役復帰するにあたり、大ファンである「ガンダム」の前で宣誓をしたいと希望したとのことです。

宣誓を終えたラビーチ2等兵曹(左)と上官のピジョン大佐(画像:U.S.Navy)

 変わった場所での再入隊式はほかにも。2007年7月には、フロリダ州ペンサコーラ沖のメキシコ湾に沈められた空母オリスカニー(CV/CVA-34)において、ペンサコーラ海軍航空基地で現役復帰するケビン・アーモルド2等兵曹の再入隊式が行われました。

海底の空母オリスカニーで行われた再入隊式(画像:U.S.Navy)

 同じくペンサコーラ海軍航空基地で現役復帰することになったシャクワラ・ベガ1等兵曹は、敷地内にある海軍航空博物館で再入隊の宣誓。海軍航空の歴史を感じる場所を希望したようです。

海軍航空博物館で行われた再入隊式(画像:U.S.Navy)

 海軍施設内でも、フィットネスセンターで再入隊式が行われる例もあります。ギリシャのクレタ島にある海軍補給施設では、当施設で現役復帰する2名の再入隊式が、ダンベルやトレーニング器具が並ぶ中で執り行われました。

フィットネスセンターで行われた再入隊式(画像:U.S.Navy)

 ハワイの戦艦アリゾナ記念館を一望できる丘の上では2023年1月、中部太平洋水上部隊で現役復帰するマイケル・カズボウスキー指揮最上級上等兵曹の再入隊式が行われています。通常、服務の宣誓は配属先の上官に対して行いますが、この時は駆逐艦サムソン(DDG-102)に乗り組む息子のショーン・カズボウスキー少尉が相手に選ばれました。

我が子に対して再入隊の宣誓を行う父(画像:U.S.Navy)

 再入隊式の場所は希望できるとはいえ、復帰する任務地に近いことが原則となっている模様。また互いの任務地のタイミングが合えば、親子や夫婦といった家族に対して宣誓をすることもできるアメリカ海軍の文化は、なかなかユニークですね。

<出典・引用>
DVIDSReenlistment at Gundam Factory Yokohama
DVIDS「Reenlisting under water
DVIDS「YN1 Vega Reenlistment Ceremony
DVIDS「NSA Sousa Bay Reenlistments
DVIDS「CMDCM Gets Reenlisted by Son, Ensign
画像:U.S.Navy

(咲村珠樹)