今やすっかり定着した「推し活」というワード。アイドルや俳優、キャラクターなど、自分にとってのイチオシを応援するための活動を指しますが、その愛が深すぎるが故、時に推し本人や運営、周囲のファンに迷惑をかけている行為を、SNSでは良く目にします。

 推しから信頼されるファンであるためにはどう振る舞うべきか。愛があるだけでは決して務まらない、推し活のあるべき姿について説いたツイートに、同意の声が多数寄せられるなど、大きな注目を集めています。

「推しから信頼されるファンとは、ライブ、イベントに全通することでも、グッヅを全て買い揃えることでも、人生の全ての時間を推しに捧げることでもなく、推しの顔に泥を塗らず、運営、他のファンに迷惑をかけず、距離感を見極め、推しを言い訳にせず、元気に楽しく推し続けることができる人です。#推愛」
(原文ママ)

 こうつぶやいたのは、ツイッターユーザー「書楽遊人 しろ」さん。しろさんは書道家として活躍する傍ら、SNSにて「推し活」をテーマにした書道作品を発表したり、リアル社会を生き抜くための、心が温かくなり笑顔になれるような投稿を行っています。

 そんなしろさんが行った今回のツイート。これは自身も長く推し活を行ってきた上での気付きで、その内容には確かに、長年の積み重ねのような、真理が書かれていると感じます。

■ 推し活においてエゴは厳禁 推しに負担を掛ける行為である

 推し活には少なからず、犠牲が伴います。それはお金であったり、時間であったり。推しのためにこうした犠牲をいとわないことにより、推しの活動が充実し、商品やサービスといった形でいずれまたファンに還元され、日々の生活や心が潤う、これが推し活が生む好循環のサイクルであることは間違いないでしょう。

 ただし、そこに過剰な見返りを求めるべきではありません。どれだけ課金しようが、どれだけの時間を費やそうが、その対価として特別なサービスがあるという場合を除いて、あなたは他の方と同じいちファンでしかないのです。

 また最近ではSNSを通じて、推しからの発信に返信したりなど、直接つながることも可能になりましたが、こうした場合でも推しからのリアクションを求めてしつこく反応するべきではありませんし、「いいね」など反応があったことを誇示して、他のファンとマウントの取り合いをするべきではありません。

 こうした行為で、他のファンや運営側、推し本人に負担を掛けることなど言語道断。「自分が目立ちたい」「推しとの距離を縮めたい」など、他者に対する心理的優位性を保ちたいがため、自己コントロールが行えないのであれば、正直推し活に向いてないとさえ思います。

■ 推し活は推しとの距離感を見極めるべし

 推し活において大切な心構えは、しろさんも言う通り「距離感」を見極めること、そして同じ目的を持つ周囲のファンと、推しに迷惑が掛からぬよう楽しく推し続けること。これに尽きるのではないでしょうか。

 推し活とは本来、とても楽しいものです。人によってはそれが生きがいだという人もいるでしょう。だからこそ、自分のエゴで推しに気を遣わせ、誰かの生きがいを奪うようなことは決してあってはなりません。

 推しがより一層輝きながら、気持ち良く活動できるよう、多くのファンたちの力でサポートする、後押しする。実にシンプルですが、これこそが推しから信頼されるファンの理想像と、言えるのではないでしょうか。

<記事化協力>
書楽遊人 しろさん(@syorakuka

(山口弘剛)