SNSなどで時々話題になる「田舎の定義」。「コイン精米所がある」「無人駅」「野生動物の出現」など、田舎を象徴するモノやコトはたくさんありますが、これに仲間入りを果たす新たな事象が先日ネット上を賑わせていました。

 それは「車種名がずらりと記載された看板」。郊外にある自動車販売協力店などが掲げているアレです。……え?これ、ちょっとドライブすれば、そこら中にあるけど……(困惑)。

 筆者の居住地は南国鹿児島。確かに他の地域に比べ、それなりの田舎であるという自負はありますが、市内住みのプライドとしてはこれを認めるわけにはいきません。念のため千葉県柏市に拠点を置く編集部にて聞いてみると「近いのはあるけど、あまり見かけない」という回答が。マジだったのか……。

新たな田舎の定義「車種名が並んだ看板」に地方民困惑「そこら中にあるけど」

 ちなみにこの看板、正規取扱店(ディーラー)ではなく、「業者販売(業販)店」と呼ばれる「町の車屋さん(中古車販売店や修理業者)」などに設置されているパターンがほとんどで、その他のメーカー車種を取り扱っていても、看板が立てられていることがあります。

 となると、この看板は田舎でしかほとんど見かけない、という理由にも繋がってくる気がします。都心部の場合は電車などの交通機関が発達しているため、必ずしも車を持つ必要はありません。あっても一家に一台がほとんどじゃないかと。

 一方地方民にとって車は必須です。それはバスの本数やスーパー、コンビニの件数等が少なくなればなるほど顕著になりますから、一家に一台ではまにあわず、家庭によっては一人一台(大人の人数=)という場合もあります。つまり田舎は車の利用者が多い=町の車屋さんが多い=看板を見かける機会も多くなる、ということなのでしょう。

 また、メーカーによっては宣伝や販売網の拡大を目的に、看板を立ててくれることもあるのだとか。

 では実際にどのくらいの数が設置されているのか?筆者の住む鹿児島市内から、さらに南の指宿方面に車を走らせると、国道沿いにこの看板のまあ多いこと多いこと。道中、合計で20か所以上は見かけました。

 これがひとつでもあれば田舎認定、というのは少し言い過ぎな気もしますが、たしかに数が多ければ多いほど「地方」という呼び方が当てはまるという定義は、あながち間違いではないかもしれませんね。

(山口弘剛)