イギリス陸軍が対空ミサイルシステム「ランドセプター」の実射試験に成功したと、2018年5月28日(現地時間)ウィリアムソン国防大臣が発表しました。ランドセプターは、イギリスの将来の防空を担う新しい対空ミサイルです。
ランドセプターは、MBDA社が開発したモジュラー型汎用対空ミサイルシステム「CAMM(Common Anti-air Modular Missile)」の陸上運用バージョン。水上艦から発射するバージョン「シーセプター」は、すでにイギリス海軍の23型フリゲートに搭載され、運用が始まっています。現在1番艦が建造中の26型フリゲートにも搭載予定です。
ミサイルの飛翔体の長さは3.2m、直径16.6cmで重さ99kg。有効射程距離は約25kmで、超音速で飛翔します。想定するターゲットは航空機はもちろん、超音速で飛来するミサイルにも対応可能です。イギリス陸軍では2017年4月に、総額3億2300万ポンドで導入を決定しました。
今回の実射試験は2018年4月5日(現地時間)、スウェーデン北部のビゼル試験場で行われました。無人標的機を飛ばし、SAAB製のジラフ(キリン)レーダーで探知してミサイルを発射。見事に無人標的機を撃破しました。
この試験成功を受けて、ウィリアムソン国防大臣は、以下のようなコメントを発表しています。
「増大する脅威に対して、このミサイルは我が軍にとってイギリスの平和を守る重要なものとなります。ランドセプターは、我が軍の兵士が任務中、空からの脅威から守るバリアーとなってくれることでしょう」
ランドセプターは防空システム「スカイセイバー」の一部として、まず王立砲兵連隊第16大隊に配備される予定となっています。
Image:Crown Copyright 2018
(咲村珠樹)