イギリス陸軍の王立電気機械技術兵団(REME)で、調理兵による料理コンテストが開催されました。イギリス料理はマズイって?いえいえ、有名シェフを審査員に招き、なかなか本格的なコース料理が作られていますよ。
第二次世界大戦中の1942年に編成され、北アフリカ戦線「エル・アラメインの戦い」で、モントゴメリー将軍の戦車部隊を陰で支えた王立電気機械技術兵団(REME)。軍で使われる車両や航空機など、様々な装備の整備を手掛けています。
ブリストルにある、ケインシャム陸軍予備役センターで開催された今回の料理コンテストでは、ロンドンとイングランド東部を担当する第103大隊と、イングランド西部とウェールズを担当する第101大隊から、2名1組のチームが出場。90分の制限時間内に4人分のコース料理を作りました。
審査委員長は、3軒のレストランを経営し、BBCやITVのテレビ番組にも出演している有名シェフのマイク・ロビンソンさん。自らハンティングしてのジビエやアウトドアクッキングのほか、FV101スコーピオン偵察戦闘車などを動態復元するなど、ミリタリーにも造詣の深い人物です。
料理コンテストでも、ロビンソンさんが仕留めた鹿肉がメイン料理の材料として提供されました。付け合わせの材料として、ジャガイモや各種野菜も用意されます。
デザートはリンゴ、ブラックベリー、イチジク、ブドウ、ナシ、プラム、マルメロ、ラズベリーといった季節のフルーツを2種類以上使用し、英国風に仕上げることが求められました。もちろん、フルーツは鹿肉料理のソースにも使えます。
90分の調理時間中、審査委員長のロビンソンさんは調理兵たちの手つきや、2人のチームワークなどを注意深く観察。もちろん、出来上がったコース料理の出来栄えや味もじっくり審査しました。
厳正な審査の末、勝者となったのは第101大隊のアレックス・サビン=ステインズ軍曹とジョン・ベントン兵卒のチーム。REMEのトップ・ミリタリーシェフの座を獲得しました。
審査委員長のロビンソンさんは「今日はとても素晴らしい日でした。出場者の素晴らしいスキルと献身ぶりに、大きな感銘を受けました。出来上がった料理は非常においしく、パブやレストランで提供されたならば、私は喜んでお金を払うでしょう」と総括し、ハイレベルな戦いであったことを強調しました。
とかく「まずい」と言われることの多いイギリスの料理ですが、おいしい食事は兵たちのモチベーションをかきたてるもの。調理兵たちがハイレベルの調理技術を有していることを示すコンテストにもなったようです。
<出典・引用>
イギリス陸軍 ニュースリリース
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(咲村珠樹)