コミュニケーションを円滑にする時に飛ばす「冗談」。誰でもウケる話であれば不快に思う人は少ないかもしれませんが、人をいじる様な内容は時に不快感を与えることも。そんな「冗談」について、考えさせられる話がSNSで話題になりました。

 漫画家の後藤羽矢子さんは、「『冗談でも人を傷つけたら失言になる』を読んで子供の頃のこと思い出した。」と、子供の頃の思い出を漫画にして投稿しています。その内容とは。

 後藤さんは小学3年の頃に、クラスの男子に酷い事を何度も言われていました。不快に思った後藤さんはクラスの担任に相談。すると、先生は男子に対して注意をしてくれたものの……男子は「冗談のつもりだった」と言い放ち、担任も「世の中には冗談が通じない人もいるんだから」と男子に。先生のその言葉にショックを受けた後藤さんは、それ以来、冗談があまり好きではなくなってしまったという事。大体の冗談はプラスのイメージで使われる事はないと感じている後藤さん、「私にとって、冗談は『オブラートに包んだ悪意』です」と締めくくっています。

 このツイートを見た人からは、大体の「冗談」が人をイジる方向で発せられていると感じている様で、「昔は発言で場の雰囲気が悪くなった時に、冗談という言葉で取り繕った経験がある」「冗談でも人を傷つける発言は冗談と言っちゃいけないと思う」「言葉は人を殴るよりも簡単に人を傷つける」「自分を落とす方向での冗談は場を和ませるために使う」「これは心に刺さった。気を付けます」など様々な意見が。

 そして、もし教師の立場であれば「冗談だとしても、言っていい事と悪い事がある」と諭したいという意見には筆者も強く同意したい思いです。「冗談」とは、遊びの範囲内でふざける言葉や行為の事を指しますが、例えそれが遊びの範囲のつもりであっても、人に対してマイナスのイメージを表す言葉を冗談として使うという事は、人を傷つける事に繋がりかねません。それは、いじめとも同義。冗談で人をけなすという行為は、言葉の暴力ともいえるのです。

 人をからかったりふざけたつもりで体や心に傷害を与えた場合……それが悪気がなくても立派な「傷害」です。冗談が誰かを傷つける「傷害」になっていないか、誰かに言う前にちょっと考えてみるといいかもしれません。

<記事化協力>
後藤羽矢子さん(@hayakogoto)

(梓川みいな)