オーストラリア海軍3隻目、そして現時点で最後となるイージスシステム搭載駆逐艦、シドニーが試験航海を開始したと2019年9月17日(現地時間)、オーストラリア国防省が明らかにしました。シドニーは2020年の就役を予定しています。

 シドニー(DDG-42)は、ホバート級ミサイル駆逐艦の3番艦。オーストラリアの造船会社ASCのオズボーン造船所で2015年11月19日に起工し、2018年5月19日に進水しました。姉妹艦にホバート(DDG-39)、ブリスベン(DDG-41)がいます。

 スペインの国営公社ナバンティアの設計したF-100級(スペイン海軍アルベロ・デ・バサン級)フリゲートを原型にし、小さい艦型ながらイージスシステムを搭載。スペイン海軍ではフリゲートですが、オーストラリア海軍では防空駆逐艦(Air Warfare Destroyer=AWD)と呼称しています。

 すでにタイプシップのホバートは2017年9月23日に就役し、2番艦のブリスベンも2018年10月27日に就役。現在、戦力化のための訓練を重ねています。


 今回のシドニー試験航海に際し、オーストラリアのリンダ・レイノルズ国防相は「この防空駆逐艦(AWD)計画を通じ、将来のオーストラリア造船業界において基礎となる労働力と造船技師、造船施設の充実に努めてきました。AWD計画は2700以上の地元業者に支えられており、オーストラリアの工業力をさらに拡張する成果を生み出しています」とコメントしています。


 今回の試験航海は、船体強度や推進システム、航法システムなど、船舶としての基本的な能力を確認するためのもの。10月からは、戦闘艦として重要な戦闘システムや通信システムなどの試験が行われることとなっています。

<出典・引用>
オーストラリア国防省 プレスリリース
Image:Commonwealth of Australia

(咲村珠樹)