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護衛艦きりさめ 南シナ海で日米豪3か国共同訓練

 海上自衛隊の護衛艦きりさめは2020年10月19日・20日の両日(現地時間)、南シナ海においてアメリカ海軍駆逐艦ジョン・S・マケイン、オーストラリア海軍フリゲートのアランタと共同訓練を実施しました。3隻は編隊航行や戦術機動などを通じ、3か国間での共同運用性の向上と相互理解を深めました。

  •  海上自衛隊の第8護衛隊に所属するきりさめ(DD-104)は、長崎県佐世保を母港とするむらさめ型護衛艦の4番艦。アメリカ海軍のマケインは、神奈川県横須賀に前方配置されている駆逐艦で、大修理を終えロナルド・レーガン空母打撃群へ復帰したばかりです。

     海上自衛隊とアメリカ駆逐艦マケインの共同訓練は、ちょうど1週間前の10月12日に同じく南シナ海で護衛艦かが、いかづちと実施して以来のこと。今回は日米に加え、オーストラリア海軍のフリゲートも加わった3か国共同訓練となりました。

     オーストラリア海軍フリゲート、アランタ(FFH151)艦長のトロイ・ダガン中佐は「この訓練は3か国にとって得がたく、重要な機会です。高レベルの相互運用性を構築、維持するためには、パートナー国との共同訓練が不可欠です。そして、自由で開かれたインド太平洋地域を維持し続ける、という意志を共有する点でも重要です」とコメントしています。

     海上自衛隊第8護衛隊司令の横田和司1佐は「アメリカ海軍、オーストラリア海軍と3か国共同訓練を実施することができ、とても喜ばしく思います。特にオーストラリア海軍のアルンタとは、私がきりさめ艦長だった2014年に訓練を実施した、という思い出もあります。我々は地域の平和と安定のため、自由で開かれたインド太平洋の維持と発展に尽力しています。強固な協力関係はその基本であり、新型コロナウイルス感染拡大という状況下でも、海上自衛隊は同盟、パートナー諸国と関係を強化し続けます」とのコメントをアメリカ海軍を通じて発表しています。


     アメリカ海軍駆逐艦、マケイン艦長のライアン・T・イースターデイ中佐は「ここ南シナ海で、親しき同盟国と協力することで、我々はインド太平洋地域における平和と安定の基盤である、透明で国際法に基づいた自由な航海・飛行を促進します。それは地域各国の利益にかなうものです」とコメントしています。


     南シナ海では現在、空母ロナルド・レーガンとその打撃群(巡洋艦アンティータム、駆逐艦ハルゼー)も哨戒活動中。ロナルド・レーガン空母打撃群に所属するマケインも、この共同訓練を終えるとロナルド・レーガンらに合流し、哨戒活動を続けます。

    <出典・引用>
    海上自衛隊 プレスリリース
    アメリカ海軍太平洋艦隊 ニュースリリース
    Image:U.S.Navy/Commonwealth of Australia

    (咲村珠樹)

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