2020年1月の初旬に、「ミルクヨーカン」なるものがSNSで話題になっていました。ミルクなのに羊羹?それってどんなん??あまりにも気になってしまったので、ちょっとお取り寄せしちゃいました。
■ そもそもミルクヨーカンってナニモノ?
「牛乳パックに入ってるけど牛乳じゃない」「商品名の羊羹ですらない」「原材料が牛乳と砂糖と寒天しかない」と衝撃だらけ……といったツイートで一躍注目を浴びたミルクヨーカン。新潟県見附市にある諏訪乳業が製造しています。地元では長く愛される人気商品なのだとか。
とはいえ、どういう物なのかあまりにもピンとこないので、諏訪乳業の製品を取り扱う新潟県見附市観光物産協会運営のECサイト「どまいち」にてお取り寄せしてみました。ちなみに500ml入りが1パック320円(税込み・冷蔵送料別)。
■ ということで早速開けてみた
白地に青の線と波線が入ったシンプルなデザインのパッケージには、同じく青い文字で「スワ ミルクヨーカン」の文字。「スワ」の2文字の間には赤いロゴマークが入っています。
大きさは市販の500mlの牛乳パックと同じ大きさ。「ヨーカン」とうたわれていますが、実際には洋生菓子に分類されています……。和菓子じゃないのか。
パック上部には赤い点線がぐるりと巡らされており、線の上には<点線に沿って庖丁等で切り取ってください>と赤い文字。庖丁の文字にそこはかとなく歴史を感じます。
早速、書かれてある通りに包丁を持ち出して、パックの角に刃を当ててザクザクと……きれいに切れると思ったのに、最近包丁の手入れを怠っていたものだから納得いくように美しく切れませんでした……。密かに悔しい。あとでしっかり研いでやる。
開けたパックの中を覗いてみると、上澄み液がそこはかとなく見えるような、見えないような……。とにかくお皿に開けてみることに。
とぅるん!結構な上澄み液とともに、ゆる~い巨大なお豆腐みたいな物が出てきました。「これが、ミルクヨーカン……」。羊羹と聞くと、もっとしっかりねっちりしているか、せめて水羊羹くらいにはしっかり固めてあるだろうとか思ってたのですが、筆者の想像とはまるでかけ離れていました。「商品名の羊羹ですらない」というバズったツイートのセリフに思わず納得。まさか、絹ごし豆腐よりもゆるやわだったとは。
これ、もしかして、パックごと思いっきりシェイクしてそのまま飲んでもおかしくない感じなのでは???
■ 恐る恐る切ってみた
上澄み液が結構出ているので、そぉ~っとお皿を傾けて液とミルクヨーカンを分けて、早速切り分けに。……しかしこれ、不器用な私が薄いまな板に移しただけでも崩れそう。ええい、お皿の上でそのまま切っちゃえ!!
と、並行に3枚に切り分けた途端、とぅるん!と崩れてしまいました。やわやわ滑らか。下手に形を戻そうとしても崩れてぐちゃあとなりそうなのは目に見えていたので、そのままさいの目に見えるように切り分け。
さすがにこれだけだと何となくさみしい感じもあったので、ヨーグルトなどに掛けるイチゴソースを置いてみました。見栄えはまずまずじゃないですか?
■ 食べてみた
もうこれで崩れる心配がない安心感で、しばらく緊張がほぐれてへにゃっとしていましたが、ひとしきり写真を撮影して、いよいよ実食!
スプーンですくって一口。……世間でいう「牛乳寒天」なんだろうけど、何だろう、牛乳に甘さを感じる……とにかく優しい甘さ。原材料も、牛乳・砂糖・寒天の3つのみ。香料も着色料も保存料もない、まさにシンプル・イズ・ベスト。ホットミルクをゆる~く固めた感じ?奇抜さはないけれども、だからこそ美味しい。初めてたべたけれども、なぜか懐かしさを感じる、安心する美味しさです。
せっかくなので、イチゴソースをかけて食べてみました。これは……子どもの頃にイチゴつぶして砂糖と牛乳と混ぜて食べたあの感じに似ているような……イチゴソース自体がフレッシュなイチゴではないから似て非なるもの、ではあるにしても、近い。何となくノスタルジーに一人勝手に浸っておりました。
■ アンテナショップでも売られてるよ!
見附市内のスーパーなどでは買うことができるという、ミルクヨーカンですが、新潟以外でも東京・表参道にあるアンテナショップ「新潟館ネスパス」などで買うことができます。
余談ですが、「新潟館ネスパス」では、酒どころならではの蔵元試飲会を開催したり、新潟ならではな商品も盛りだくさん。個人的には、菊水酒造(新発田市)の「スーパー酒粕 さかすけ」(250g入り648円・税込み)も気になる……。
っと、ミルクヨーカンから話がずれてしまいましたが、長年の歴史があるミルクヨーカンの味で育った人には故郷の味、一度食べて病みつきになったという人も無性に食べたくなる味になりそうです。新潟物産展が近所で開催されて、ミルクヨーカンや地酒や気になる商品が置いてあれば速攻で買いに行くのになぁ……。
(撮影・文:梓川みいな)