2020年秋に打ち上げられる予定の地球観測衛星「センチネル-6A」。NASAで長年地球科学部門を統括した科学者の功績を称え「センチネル-6 マイケル・フライリッヒ」と命名されると2020年1月28日(現地時間)、NASAとESAから発表されました。
地球観測衛星センチネル-6Aは、海面上昇などの状態を全地球規模で観測する「センチネル-6」計画で打ち上げられる2機の人工衛星の第1弾。海面変動や海岸線の変化などを高精度に観測し、現在進行中の海面上昇の程度を明らかにするとともに、それに伴う災害の予測などを行うためのものです。
欧州宇宙機関(ESA)、NASA、欧州委員会、欧州気象衛星開発機構(EUMETSAT)、そしてアメリカ国立海洋大気庁(NOAA)が共同で行うセンチネル-6計画ですが、センチネル-6A衛星の名前に、NASAで長年地球科学部門のディレクタを務めた科学者、マイケル・フライリッヒ博士の名前がつけられることになりました。
マイケル・フライリッヒ博士は、2006年から2019年2月に引退するまで、NASAの地球科学部門を統括した人物。現在の地球観測衛星シリーズの体制作りを主導し、16のミッションと8機の小型衛星打ち上げなどを通じて、研究を進めました。
ESAの地球観測計画プログラム・ディレクタのヨセフ・アシュバッハー氏は「衛星の名前を『センチネル-6 マイケル・フライリッヒ』に変更するという提案は、我々がマイク(フライリッヒ博士)に感謝しているということを表しています。彼の存在なくして、現在におけるこの種のミッションは実現しなかったでしょう」と、フライリッヒ博士の功績を称えています。
NASAのブリデンスタイン長官は「この名誉は、マイクの遺産が地球規模で広がっているということの証です。マイクがNASA、そして世界中の地球科学研究へ果たした貢献は計り知れないものです。彼の名前がつけられた衛星が、彼のような情熱を胸に新たな海洋に関する知見を集めてくれるであろうことに、今からワクワクしています」とのコメントを寄せています。
センチネル-6 マイケル・フライリッヒは、2020年11月にアメリカのカリフォルニア州バンデンバーグ空軍基地から打ち上げられる予定。2020年代から2030年代にわたる長期間、地球の海面状態を観測し続けます。
<出典・引用>
欧州宇宙機関(ESA)ニュースリリース
NASA ニュースリリース
Image:ESA/NASA
(咲村珠樹)