アメリカ海軍は2020年4月14日(現地時間)、東シナ海において強襲揚陸艦アメリカ(LHA-6)が、海上自衛隊の護衛艦あけぼの(DD-108)と共同訓練を4月9日~11日に実施したと発表しました。あけぼのとアメリカが共同訓練を行うのは初めてのことです。

 第1護衛隊群第5護衛隊に所属する護衛艦あけぼのは、佐世保を母港とするむらさめ型護衛艦の8番艦。2019年には、4月30日から7月10日にかけて、平成31年度インド太平洋方面派遣訓練部隊(IPD19)の一員として、同じ第1護衛隊群の護衛艦いずも(DDH-183/第1護衛隊)、護衛艦むらさめ(DD-101/第1護衛隊)とともにブルネイ、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ベトナムを訪問し、当地の海軍と共同訓練を通じて相互理解を深めています。

 強襲揚陸艦アメリカは2019年12月、ワスプに代わって第7遠征打撃群(ESG-7)第11水陸両用部隊(佐世保)に配置されたアメリカ級強襲揚陸艦のタイプシップ。2020年2月下旬から3月初めにかけては、タイで実施された多国籍共同訓練「コブラゴールド20」に参加していました。

 あけぼのとアメリカは編隊航行訓練のほか、アメリカ海軍の吸油艦ジョン・エリクソン(T-AO-194)を交えての洋上給油訓練も実施。日米双方における柔軟な運用能力の構築を行いました。


 日米の艦船による共同訓練は、4月2日にも護衛艦てるづき(DD-116)と沿海域戦闘艦ガブリエル・ギフォーズ(LCS-10)がアンダマン海で実施したばかり。

 第7遠征打撃群司令官のフレッド・W・カッハー少将は「先週のガブリエル・ギフォーズとてるづきに続き、また日本の友らとともに航行できてワクワクしています。COVID-19の世界的流行という困難な時期ではありますが、これらの訓練は世界でも重要なこの地域で、アメリカとその同盟国が一体となって進んでいくという面において、非常に重要なことなのです」と、今回の2週連続で実施された日米共同訓練についてコメントしています。


 中国の活発化する海洋進出や、再度不安定化しつつある中東情勢など、インド太平洋地域の平和と安定は日米双方の安全保障において重要な関心事。新型コロナウイルスの感染拡大防止にも気を使いつつ、訓練は続けられます。

<出典・引用>
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy

(咲村珠樹)