「ナナメ観!特撮映像館」第五回目となる今回は、1969年公開の「ガメラ対大悪獣ギロン」。
前作で宇宙空間を自由に飛んでいたガメラが、今回は地球外の惑星にまで進出する。
舞台となるのは太陽を挟んで地球の反対側にあるという第10番惑星。地球にやってきた小型の無人宇宙船に乗った少年ふたりが、リモコン操作でその惑星に連れて行かれるのを助けようと、ガメラもやってくるのである。
敵怪獣ギロンは、そのダイタンとも言えるデザイン・造形が印象的。また銀色の「宇宙ギャオス」が登場してファンを喜ばせた。
今回も第10番惑星人がガメラのことを知るために、少年の記憶からガメラの過去を探るという設定で過去のフィルムが流用されている。
本作が公開された前年はメキシコオリンピックの年でもあり、ガメラが鉄棒をするようなシーンも見られる。
船越英二は第1作以来の出演。また大村 崑は当時有名だったCMと同じメガネが落ちる演技も見せている。第10番惑星人のフローベラを演じたのは、「~ギャオス」で英一少年の姉を演じた笠原玲子。ギャオスの時には新人で、気丈な女性を演じていたが、今回はまさに悪女といった雰囲気。
前作「~バイラス」では外国の少年は投げ縄を得意とし、本作では吸盤のついた矢を発射するピストルを得意としている。
第10番惑星は宇宙ギャオスがうようよしているという設定だが、ギャオスと闘うのはギロンだけで、ガメラとの対決は見られなかった。
監督/湯浅憲明、特殊撮影/藤井和文
キャスト/加島信博、クリストファ・マーフィ、船越英二、大村 崑、イーデス・ハンソン、ほか。
1969年/日本/82分