おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【うちの本棚】195回 ウルトラセブン/一峰大二

ウルトラセブン「うちの本棚」、今回は前回に続いて『ウルトラセブン』を取り上げます。

桑田次郎版とセットで読むことで、セブンの世界観をより堪能できるといわれる一峰大二版のコミカライズ。最終回の読みごたえは格別です。

【関連:194回 ウルトラセブン/桑田次郎】

ウルトラセブン下


  • 本作は円谷プロ制作の特撮テレビ番組『ウルトラセブン』のコミカライズであり、講談社「ぼくら」に、「週刊少年マガジン」連載の桑田次郎版と平行して連載された。

    桑田版と違うのは、掲載紙が月刊であったため一話完結となっている点だろう。約1年、13回の連載で、桑田版が取り上げていないエピソードをコミカライズしている。『ウルトラマン』では映像化されなかったエピソードも漫画化していた一峰大二だが、本作ではそれはなかった。

    桑田次郎のシャープなセブンの印象に比べると、少し泥臭い感じはあるものの、怪獣や宇宙人、セブン自体が画面いっぱいに活躍する一峰版は、これはこれでコミカライズの役割を十二分に果たす佳作である。強いてあげれば、掲載誌が低年齢層向けの雑誌でもあったことから、勧善懲悪な雰囲気であり、映像本編が持っていた重たい空気はあまり取り上げていない印象がある。

    桑田版では取り上げなかった最終話を一峰版では描いているが、有名なダンとアンヌのシーンは設定を変えて扱われ、またキリヤマ隊長がパンドンに特攻するというシーンまで描かれている。映像作品とは違うが、最終回として読みごたえのある内容だ。

    本作の単行本化は最初、朝日ソノラマの「サンコミックス」で、桑田次郎版に続く5、6巻として刊行されたが、桑田版が「サン・ワイド・コミックス」で刊行された際には収録されなかった。初単行本化のあとしばらく入手の困難な時期があったが、パンローリングの「マンガショップシリーズ」で、再び桑田版とともに全3巻の1冊としてまとめられた。ちなみに「マンガショップシリーズ」はほとんどが同じ定価を設定していて、かなりページ数の多い本作は他の作品に比べてお得感がある。

    初出:講談社「ぼくら」昭和42年10月号~昭和43年10月号

    書 名/ウルトラセブン(下)
    著者名/一峰大二
    出版元/パンローリング
    判 型/B6判
    定 価/1890円
    シリーズ名/マンガショップシリーズ
    初版発行日/2004年12月25日
    収録作品/ウルトラセブン初登場の巻、ゴドラ星人の巻、イカルス星人の巻、チブル星人の巻、ベル星人の巻、シャプレー星人の巻、シャドー星人の巻、恐竜戦車の巻、怪獣リッガーの巻、ザンパ星人の巻、バンダ星人の巻、サロメ星人の巻、ウルトラセブン最後の巻

    (文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/

    あわせて読みたい関連記事
  • 「癒スラッガー」税込8800円
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    ウルトラセブンの「アイスラッガー」が癒やしの武器に!マッサージアイテム「癒スラッ…

  • ウルトラセブン55周年ビジュアル
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    ウルトラセブン55周年プロジェクト始動 世界が混迷を極める今だからこそ「彼の背中…

  • 癒スラッガーメイン画像
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    疲労怪獣を倒す!「癒スラッガー」復刻 ウルトラセブンの「アイスラッガー」を忠実再…

  • ニュース・話題

    「新サクラ大戦」がゲームに先駆けコミカライズ化

  • ニュース・話題

    「ぼくらの七日間戦争」アニメ映画化記念しコミカライズ決定

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】194回 ウルトラセブン/桑田次郎

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】192回 キャプテン・スカーレット/江波譲二

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】191回 レインボーマン/あだち充(原作・川内泰範、脚色・伊藤恒久…

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】188回 惑星大戦争/居村真二

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】187回 シルバー仮面/蛭田 充

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた累計入園者数が1月6日、9億人に到達。運営するオリ…
    2. クマ出没マップ 「FASTBEAR」

      AI集約のクマ出没マップ「FASTBEAR」公開 全国の出没情報をまとめて可視化

      全国のクマ出没情報を地図上で可視化する「FASTBEAR(ファストベア)」の公開が、12月26日に発…
    3. 2026年も大漁!年賀状「隠しデザイン」を本気で探した結果

      2026年も大漁!年賀状「隠しデザイン」を本気で探した結果

      ついに幕を開けた2026年。1月1日の朝といえば、ポストをのぞいて新年のあいさつを受け取る──そんな…

    編集部おすすめ

    1. EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      テキストエディター「EmEditor」を提供するEmurasoftは1月4日、公式サイトに関するセキュリティインシデントの続報を公表しました…
    2. 日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      一般社団法人日本自閉症協会は1月5日、比喩的に使われている「デジタル自閉症」という言葉について、反対する声明を発表しました。協会は、この言葉…
    3. 動画収益は復興支援へ インフィニット、能登半島応援アニメをYouTubeで全2編公開

      動画収益は復興支援へ インフィニット、能登半島応援アニメをYouTubeで全2編公開

      アニメーションプロデュースの株式会社インフィニットは1月1日、「能登半島復興応援企画」短編アニメーションを、YouTubeにて全2編公開しま…
    4. シートタイプのWebMoney

      WebMoney、事業をビットキャッシュへ承継 一部サービスは終了へ

      オンラインゲームの課金手段として知られる「WebMoney」が事業の節目を迎えます。auペイメントは2026年3月31日付でWebMoney…
    5. 「完全在宅」「未経験OK」のはずが…求人をきっかけに高額契約 消費者庁が注意喚起

      「完全在宅」「未経験OK」のはずが…求人をきっかけに高額契約 消費者庁が注意喚起

      育児などを理由に在宅で働きたいと求人サイトを利用した人が、結果的に高額な契約を結ばされるケースが相次いでいます。「完全在宅」「未経験OK」と…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト