おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【うちの本棚】191回 レインボーマン/あだち充(原作・川内泰範、脚色・伊藤恒久)

『レインボーマン』1「うちの本棚」、今回も未単行本化作品から、あだち充によるコミカライズ版『レインボーマン』をご紹介いたします。

【関連:190回 Xボンバー/蒲原直樹とダイナミックプロ(原作・永井 豪)】

レインボーマン1 レインボーマン-1.5 レインボーマン2 レインボーマン3
レインボーマン4 レインボーマン5 レインボーマン6 レインボーマン7

  • 本作は東宝がテレビヒーロードラマに初参入した『レインボーマン(愛の戦士レインボーマン)』のコミカライズ作品である。
    本作のコミカライズは講談社「週刊少年マガジン」に連載された小島利明のものが、単行本化もされ知られていると思うが、ほかに管野 誠の黒崎出版「テレビランド」版、小畑しゅんじによる秋田書店「冒険王」版があり、あだち充も「テレビマガジン」のほか「おともだち」にも平行して連載していた。
    原作は『月光仮面』で知られる川内康範で、「レインボーマン」のコスチュームデザインは同じ川内原作の『太陽仮面』が基になっているという。

    いわゆる変身ヒーローものに分類される本作であるが、怪獣や怪人をヒーローが倒すということではなく、日本という国家への攻撃、日本人皆殺しを目的とする「死ね死ね団」という人間たちと、孤独なヒーローとの戦いを描くという異色の作品でもある。

    主人公は「レインボー」の名の通り七つの形態に変身し、それぞれの特色ある能力で敵を倒していくのだが、『月光仮面』以来さまざまなヒーローを創造してきた川内の集大成的な印象すらある。

    テレビドラマでは1話完結ではなく、1クール単位の連続ドラマとして制作されていたが、あだち版では1話ごとに敵を倒して終わる形式が取られた。このあたりは月刊誌という媒体の性格、対象読者の年齢層を考慮してのことだろう。

    残念なことに、手元には第1回から第6回までしかなく、後半の展開は判らない。内容、作画面ともにいいものなのでぜひ単行本化してもらいたいのだが、一説にはあだち充本人が拒否しているとのことで、残念である。

    初出/講談社「テレビマガジン」1972年10月号~1973年10月号

    (文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/

    あわせて読みたい関連記事
  • 全員同じ顔? あだち充作品のエース5人がカプセルトイに
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    全員同じ顔? あだち充作品のエース5人がカプセルトイに

  • "ウソみたいだろ……"な超難題ゲーム「一瞬あだち充」に挑戦 今年も難しすぎた
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    “ウソみたいだろ……”な超難題ゲーム「一瞬あだち充」に挑…

  • 初回はまさかの0%
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「あだち充キャラクター神経衰弱」が難しすぎると話題 攻略に挑戦してみた

  • あだち充原作のSF時代劇「虹色とうがらし」が30年の時を経て舞台化
    アニメ/マンガ, 舞台・上映

    あだち充原作のSF時代劇「虹色とうがらし」が30年の時を経て舞台化

  • ニュース・話題

    「新サクラ大戦」がゲームに先駆けコミカライズ化

  • ニュース・話題

    「ぼくらの七日間戦争」アニメ映画化記念しコミカライズ決定

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    「正義の味方」第1号 誕生60年「月光仮面」の軌跡

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】195回 ウルトラセブン/一峰大二

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】192回 キャプテン・スカーレット/江波譲二

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】188回 惑星大戦争/居村真二

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 偽ファッション広告

      偽ファッション広告がGoogle広告に大量出現 サポート詐欺被害に注意

      2025年9月上旬からGoogle広告に偽ファッションサイトが急増。数秒で「Windows Defe…
    2. 邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      Webコンテンツ「絶対にバズるSNS」が9月15日公開。9月26日公開映画「俺ではない炎上」と連動し…
    3. 26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前にリリースされたMMORPG「Dark Ages」をご存じでしょうか。年月とともに人口は減少…

    編集部おすすめ

    1. 英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      日本でうなぎといえば、甘いタレをつけて香ばしく焼き上げた「蒲焼き」が定番のスタイル。白焼きなどもあるにはありますが、うなぎといえばやっぱり蒲…
    2. たこばさんの「糸こんにゃく炒飯」

      えっ…これ糸こんにゃく!?目も舌も騙される“ヘルシー炒飯”を実際に作ってみた

      「糸こんにゃくで作った炒飯が本物そっくりに仕上がる」と聞いたら、信じられるでしょうか。大阪市のたこ焼き店「たこ焼たこば」の店主がSNSに投稿…
    3. 虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズで清掃員の仕事を疑似体験しながら、非日常な体験に巻き込まれていく……そんな不思議な没入型体験イベント「どこか奇妙な職業体験 虎ノ…
    4. あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      子どもにとってかくれんぼは、ハラハラドキドキのスリリングな遊び。自分だけにしか分からないであろう隠れ場所を見つけて「ここなら大丈夫」「絶対見…
    5. プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      アニメ映画「映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!」公式は9月12日、「キミプリ♪ぬりえコンテスト」において…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト