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ハーバード大図書館の『人皮装丁本』3冊中1冊が偽物と判明

ハーバード大図書館の『人皮装丁本』3冊中1冊が偽物と判明先日、「アメリカ・ハーバード大学の図書館には、人間の皮膚をカバーに使用した本が3冊保管されている」というニュースをお届けしたが、奇しくもその記事を紹介したのと同じ日(日本時間4月4日)、ハーバード大学図書館のオフィシャルブログでこんな重要情報が発表された。

  • 【関連:ハーバード大図書館の人間の皮膚を使用した『人皮装丁本』】

    ハーバード大図書館の『人皮装丁本』3冊中1冊が偽物と判明

    Baaaaaad newsという出だしで始まる記事によると、ハーバード大学図書館が保管する『人皮装丁本』といわれる3冊のうち「生きた人間からとった皮膚で装丁された本」とされる『Practicarum quaestionum circa leges regias Hispaniae』には、こうしたことが記されていたという

    「この本の装丁はWavuma族によって、1632年8月4日に生きたまま皮膚をはがされた、私の親友、Jonas Wrightが残したものである。この本はMbesa王が私に下さったもので、これは貧しかったJonasの持ち物の中でも意義のあるものであった。Jonasの皮膚は本を装丁するのに充分であった。冥福を祈る。」

    この意味深な記述があったため発見以来、学芸員はじめ、本の修復家、そして皮の専門家などを交え真贋について調査してきたそうだが、つい最近行った科学分析の結果により、その素材は人間の皮膚ではなく表紙の部分は羊の皮、そして接着剤には豚と牛のコラーゲンを合成したものが使用されていることが分かったという。

    なお、Wavuma族やMbesa王が何者なのかは、分かっていない。もしかすると、このJonasの友人が生み出した妄想の産物なのかもしれない。そして気になる本の内容については、中世スペイン法などが記されていると言われている。

    今回ハーバード大学図書館が急きょ真贋について発表した背景は、前回紹介した記事の参照元記事がアメリカで話題になりすぎ、閲覧希望者が殺到したためのようだ。

    また、参照元の作者は「ハーバード大学にはまだ2冊の『人皮装丁本』が残されており、それらについても科学分析をもとめていきたい。」とコメントしている。(前回記事の参照元は今回の発表をうけ、内容が更新されています。)

    最後に余談だが、ハーバード大学図書館が所有する3冊の内1冊は今回偽物であることが判明したが、他にも所有していると言われる博物館や図書館が存在する。アメリカ・フィラデルフィアにある医学博物館『ムター博物館』や、ブラウン大学の図書館、そしてお隣韓国のソウル大学の図書館など。

    17世紀には本当にこうした『人皮装丁本』は人気があったようで、主に医学研究で解剖した人の皮(用途は解剖学の本)や、殺人で有罪判決を受けた人の皮(用途は裁判所の記録)、その他には遺品として残すことを希望した人の遺体から採取された皮などが使用されていたようである。

    参考・引用:
    Harvard discovers three of its library books are bound in human flesh
    852 RARE: Old Books, New Technologies, and “The Human Skin Book” at HLS

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