数年前から山形県の郷土料理である「山形のだし」が流行しています。夏野菜をふんだんに使った暑い季節ならではの料理で、豆腐やごはん、麺類と一緒に食べるそうです。
夏野菜には水分を体外に出す働きや体温をすっきりと低下させる作用があるために、この季節にたくさん食べることは昔の人の知恵で理にかなっています。そして、そのレシピには基本はあるものの、各家庭によって少しずつ違うんだそうです。
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そこで、編集部のTwitterアカウントで「我が家流だしの作り方を教えてください」と質問してみたところ、なんと「タマネギ」を使ったレシピをお寄せいただきました!
山形のだしについてはレシピを事前に様々調べていますが、「タマネギ」入りは私たち初耳。
早速お寄せいただいた、我が家流おすすめだしレシピに挑戦してみましたよ!
■「タマネギ」入りの山形だしって?未知の味にどっきどき
材料はナス、キュウリ、タマネギ、ミョウガ、大葉、納豆昆布(千切りにされた昆布)、だし醤油です。
野菜は全てみじん切りにし、ナス、キュウリ、タマネギ、出汁醤油、少量のお湯で戻した納豆昆布を混ぜて半日から1日ほど冷蔵庫で寝かせます。食べる直前にミョウガ、大葉を加えたら出来上がり。(今回はしゃきしゃき感と風味を出すためにミョウガと大葉は後入れにしています。写真は見栄えのため上に乗せていますが、実際は漬かったものとあえて大丈夫です。)
まず、出来上がった直後にちょっと食べてみたところ爽やかな口あたりでこれはこれで絶品。 ただし、ナスの漬かりがまだ甘かったため、半日冷蔵庫で寝かせた後、素麺と混ぜてみたら……涙が出るほどの美味しさがありました。
まさに昆布の旨味と各野菜のシンフォニー。暑くてほてりまくった体がすっきり爽やかになりましたよ。今回ポイントになったタマネギについては、さっぱりとした夏野菜と組み合わせることでいい感じのアクセントになり、次から次へと口に運んでしまうほどの味わいを生み出していました。
和食の国に生まれてよかったと感じるのは、まさに山形のだしのようなメニューに出会ったときだと言っても過言ではありません。
豆腐やごはんと合わせてもイケるそうなので、たくさんつくって3日3晩山形のだし漬けでもいいかな、なんて思った筆者でした。ちなみにレシピをお寄せいただいた方の話によると、新タマネギでつくるとよりおいしくできるそうですよ。そしてタマネギのにおいが気になる時には、漬ける前に軽く水にさらして使用してくださいとのことでした。
さっぱりしているけどやみつきなる「タマネギ入り山形のだし」。ぜひ、この暑い夏を乗り切るためにもつくってみてくださいね!
(文:大路実歩子)