トイレに入るとトイレットペーパーホルダーからちょこんと三角に折られたトイレットペーパーがこんにちはしていることがあります。
清掃後にされる場合が多いですが、中には使用後に後の人への気配りとして三角に折る人も。
これ、たしかに巻き始めの部分がわかりやすいし何と言ってもトイレットペーパーを使用しやすく、また切れ目の汚さを隠すことができるために好きだという人がいる反面、「トイレ使用後の洗ってない手で三角折りしないで!!」という意見もあり賛否両論。
トイレを出る時トイレットペーパーを三角折りするのは気配りのマナーなのか、それともマナー違反なのか。この問題は、長年あちこちで議論を巻き起こしています。
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■起源は?
三角折りの起源は、アメリカで緊急出動が必要な消防士たちがすぐにトイレットペーパーを引き出せるようにしたことが始まりで、これはファイヤーホールドと呼ばれている……という俗説が真実のように語られていますが、実はこれはガセと言われています。
2015年の2月に放映された『それっていつから?ヒストリー』(中京テレビ)では銀座のクラブ順子が1966年の開店当初から行っていたのが最初だと検証されていました。
しかし清掃終了のサインが起源だと思っている人も多く、それゆえに他人の家でこれをやってしまうと人によっては「うちのトイレが汚いという嫌味?」だと思われてしまう場合もあるそうなので要注意です。
■汚れた手で三角折りは不潔だという意見も多いけれど……
マナー云々以前の問題で、トイレで汚れた洗う前の手で次に誰かが使用するトイレットペーパーに触れることはとても不潔であるという意見が多くあります。
しかし、トイレを使用後に個室に手洗い場が無い限りは、みな一旦個室からそのまま手を洗わず出るはずです。つまり、トイレのドアの取っ手やレバー、さらには床、壁、トイレットペーパーホルダーなど、あちこちは雑菌だらけのはず。そこはどうクリアしているのだろうと、余計な疑問も涌いてきます。
■何が正しいとか正しくないとかではない
冷静に考えてみれば、三角折りはトイレットペーパーを使う上で非常に引き出しやすく、次の人のことを考えたゆえの気遣いでもあります。
銀座という国内でもトップクラスの気遣いが求められる場所で日々国内の重鎮たちをもてなしているホステスさんが起源かもしれないということは、それがマナー違反であるとは考えづらいですよね。
マナーは古くからの習わしではありますが、そのひとつひとつには「そうであること」の理由が存在しています。
今一度、三角折りの存在について考えてみてはいかがでしょうか?
(文:大路実歩子)