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高齢者の詐欺被害を防ぐマツケン「未然奉行」巣鴨に登場 2017年はANZEN漫才のWEB動画も公開

 以前より編集部でも度々取り上げている特殊詐欺。振り込め詐欺をはじめとした特殊詐欺などによる高齢者の被害未然防止を図るため、内閣府・警察庁・金融庁が連携して政府広報「高齢者詐欺被害防止啓発キャンペーン」を2017年12月11日からスタート。その一環で、俳優の松平健さんが「未然奉行」に扮し、巣鴨地蔵通り商店街でPRイベントを実施しました。(取材・咲村珠樹)

  •  松平健さんの「未然奉行」は、今年で6年目。いかめしいこの姿もお馴染みになってきました。2017年はさらに、ANZEN漫才のお二人が登場するWEB動画も政府広報の特集ページで公開しています。高齢者が多く集まる巣鴨地蔵通り商店街で行われたPRイベントでは、松平さんのほか、WEB動画の小原穣監督、そして音楽を担当した折坂悠太さんも登場し、ステージでのトークのほか、商店街で啓発のチラシを道ゆく人に配りました。


     2016年中の特殊詐欺認知件数は、前年より330件増加した1万4154件。うち、高齢者の被害件数は1万1062件と全体の78.2%を占めます。認知件数は「警察が把握している被害の件数」なので、警察に届け出ず、誰にも相談していない被害者もいると考えられるため、実際にはもっと多くの被害があると思われます。

     今回公開されたWEB動画では、ANZEN漫才のみやぞんさんが息子役となり、実家に帰った際、お母さんに「約束(怪しい電話があったときに必ず聞く合言葉)」を決めておこう、と提案します。その言葉は、今度温泉に行こうということ。

     そしてある日、涙声で「会社のカバン失くして、中に取引先のお金が……」と告げる、怪しい電話がかかってきます。息子のように感じますが、実は詐欺の電話。動画では背中しか見えませんが、犯人役はANZEN漫才のあらぽんさん。以前、映画の撮影で金融業の社長役として取り立てのシーンを演じたことがあり、みずから「詐欺師は適役」とコメントしたあらぽんさん、なかなかの名演技です。

     電話の向こうの取り乱した声に、気が動転するお母さんですが、ふと目をやった先に貼ってある「約束」を見て思い出します。「最後にこれだけ聞かせてくれる?……今度、どこへ連れて行ってくれるんだっけ?」相手はそれに取り合わず「それより早くお金振り込んでよ!」と怒ったような口調に。そこでお母さんは詐欺の電話だと気づき、電話を切って被害を未然に防ぐことができた……というストーリーです。

     実際に、このような「約束(合言葉)」は有効だということです。さらに特集ページでは「未然ポイント4ヶ条」というものを勧めています。

     ■日頃から家族でよく話し合おう(離れて住んでいる場合は電話をしよう)
     ■電話でお金の話をしないと決めておく
     ■家族で事前に「合言葉」を決めておく
     ■常に「留守番電話」にしておこう(詐欺の電話は留守だと判るとすぐに切ってしまうため)

     最近では高齢者の一人暮らしも増えています。こういった場合、民生委員など地域の関係者や介護などで自宅を訪れる介護職の方、宅配業者や金融機関などの事業関係者が連携をとって、見慣れない人物が出入りしていないか、見慣れない品物が増えていないか、お金に困っていそう、大金を下ろそうとしているなどの不審な行動や兆候がないか、見守りや声かけなどをして相談にのることも重要です。

     また、最近は「東京オリンピック・パラリンピック」に便乗した詐欺や悪質訪問販売の手口が増えています。少しでもおかしい、不安に感じた場合は、警察庁の相談専用電話「#9110」に電話してみてください。この電話番号は携帯電話でも利用できますが、ダイヤル回線や一部のIP電話でつながらない場合は、最寄りの警察本部や警察署、交番・駐在所にかけてください。

     預金や融資、保険商品、投資商品、貸金業に関しては、金融庁の金融サービス利用者相談室「0570-016811(ナビダイヤル:IP電話からは03-5251-6811へ)」で電話相談を受け付けています。受付時間は平日の10時〜17時です。

     詐欺や悪徳商法は、人間のちょっとした心の隙をうまく突いてきます。また「私はだまされない」と思っている人ほど、詐欺師にとっては扱いやすいということもあります。不安に思うようなことがあった場合、すぐに相談してみることが大事ですよ。

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