2018年3月5日(現地時間)、佐世保を出港し、東シナ海を航行中のアメリカ海軍の強襲揚陸艦ワスプ(LHD-1)に、F-35Bが初めて着艦しました。これは実際に遠征航海に出ている艦艇にF-35Bが着艦した初のケースです。
ノーフォークでのオーバーホールを終え、定期哨戒前の評価試験のため、2018年3月3日(日本時間)に佐世保を出港したアメリカ海軍の強襲揚陸艦ワスプ。東シナ海において、海兵隊岩国航空基地を出発したVMFA-121「グリーンナイツ」のF-35Bが着艦。艦載機として搭載されました。運用試験や機種転換訓練でF-35Bが強襲揚陸艦に着艦したケースはあったものの、実際に遠征航海に出ている艦に着艦するのは初めてのこと。
F-35Bは、強襲揚陸艦を中核とする海兵隊の遠征打撃群(ESG)における、これからの主要航空戦力です。今回の評価試験を通じて、海兵隊は効果的なF-35Bの活用法を検討し、戦力として整備していくことになります。
「F-35Bとワスプが一体となったことは、海軍と海兵隊が共同作戦を行ってきた歴史において、非常に大きな飛躍となります。この第5世代ステルスジェット機は汎用性に富んでおり、我々の作戦遂行能力を大きく高めてくれるでしょう」と、ワスプを中核とする第7遠征打撃群(ESG7)の司令官、ブラッド・クーパー少将はF-35Bのワスプ着艦に際してコメントを発表しています。
評価試験を終えたワスプは、ミサイル駆逐艦スタレット(DDG-104)、デューイ(DDG-105)とともに太平洋インド洋地域の定期哨戒を行う予定です。この範囲には、近年中国の進出が目立つ南シナ海が含まれており、F-35Bを得た第7遠征打撃群の能力は非常に期待されています。
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)