イギリスのBAEシステムズは2018年6月5日(現地時間)、アメリカ海軍のバージニア級攻撃型原子力潜水艦の新しいバージョン「ブロックV」に使用される兵装モジュール(Virginia Payload Module=VPM)を受注したと発表しました。受注数量は2隻分(SSN-804とSSN-805)、1隻に4基搭載されるので合計8基となります。

 アメリカのゼネラルダイナミクス・エレクトリックボート社のもとで建造される、バージニア級攻撃型原子力潜水艦の29番艦(SSN-802)と30番艦(SSN-803)。この艦から新しいバージョンのブロックVとなり、各種装備がアップデートされたものになります。バージニア級は、各区画ごとに独立した機能を持ち、それを組み合わせるモジュラー構造を採用しており、艦全体を再設計することなく新機能を導入することが可能です。

 兵装モジュールは、セイル(水上艦における艦橋構造物)と艦首部分に挟まれた部分に搭載されています。1基あたり巡航ミサイルのトマホークを最大7発装填でき、ブロックVではこれまで2基だったものが4基に増えることになりました。そしてこのブロックV向け兵装モジュールは、トマホークだけでなく、将来導入が予定される無人機など、新しい兵器の発射機能も有するものとなります。

VPM扉を開いたバージニア級攻撃型原潜15番艦コロラド(SSN-788)

VPM扉を開いたバージニア級攻撃型原潜15番艦コロラド(SSN-788)

 この兵装モジュールの製造はアメリカのケンタッキー州ルイビルにある工場で製造され、2020年から納入が開始される予定となっています。

注記:初出時、兵装モジュールの搭載数を「1隻あたり2基」としていましたが、これはブロックIVまでの仕様であり、今回記事に取り上げた新世代のブロックVからは4基搭載に拡大されます。お詫びして訂正いたします。

Image:US Navy

(咲村珠樹)