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ポーランド軍 医師不足に苦しむアメリカに軍医チームを派遣

 2020年4月23日現在、世界で最も新型コロナウイルス感染者がいるアメリカ。各地の医療機関では医師不足に直面しています。この状況を救おうと、感染拡大が落ち着きつつあるポーランドから4月23日(現地時間)、軍医のチームがアメリカに派遣されました。

  •  ポーランドでは、新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着きつつあり、4月20日付で外出禁止要請が段階的に緩和されました。これにともないポーランド軍は、ほかのNATO加盟国へ軍医ら医療チームを派遣し、医療体制の支援を始めています。

     4月22日には、ポーランド軍医学研究所の医師や研究者からなる医療チームをスロベニアに派遣。医療活動の支援とともに、ポーランド国内での症例による知見を提供し、よりよい新型コロナウイルス感染症の治療方法を共同で検討する作業を始めました。

     ポーランド軍医学研究所は続けて、医療スタッフの不足に直面しているアメリカのシカゴへ、軍医9名の派遣を決定。4月23日にワルシャワ空港からポーランド政府機に搭乗し、アメリカへ向かいました。


     シカゴに到着した医師団は、ポーランド国内での医療活動で得られた新型コロナウイルス感染症に関する知見を、ジョン・H・ストロガー病院、サーマク・ヘルス・サービス(クック郡)、ラッシュ大学メディカルセンターといった現地の医療機関と共有。より効果的な治療法を探っていきます。

     ポーランド軍の医師団は合わせて、シカゴ最大の臨時病院(フィールド・ホスピタル)であるマコーミック・プレイス・コンベンションセンターで、アメリカ軍の医療チームとともに患者の治療にも当たる予定です。



     NATOのオアナ・ルングシュ広報官は「NATOの同盟国は、この新型コロナウイルス(COVID-19)に対しても連帯して対処しています。私たち同盟国は医療に関する知見を共有するなど、命を救うため一緒に働いています。ポーランドのこの取り組みは、それを再認識させるものです」というコメントを発表しています。

     新型コロナウイルスは世界的に感染が拡大しており、通常のように民間の医師団を派遣してしまうと、自国での医療体制に穴が開いてしまいます。それに対し、軍の医療チームは独立性が高く、比較的自由に動ける存在。NATOは軍事同盟ではありますが、このような時にも「軍ならでは」の特性を活用した人道支援を可能にする枠組みでもあるのです。

    <出典・引用>
    NATO プレスリリース
    ポーランド国防省 ニュースリリース
    ポーランド政府 新型コロナウイルス(COVID-19)情報サイト
    Image:ポーランド国防省/USAF/U.S.Army

    (咲村珠樹)

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