アメリカ海軍は2020年7月24日(現地時間)、空母ニミッツとその空母打撃群を形成する巡洋艦プリンストン、駆逐艦スタレット、駆逐艦ラルフ・ジョンソンが、中東の第5艦隊担当エリアに入ったと発表しました。現在ここに遠征している空母ドワイト・D・アイゼンハワーの空母打撃群と交代し、中東地域での有事に備えます。
6月の初めに母港サンディエゴを出発したニミッツ空母打撃群は、太平洋を西に向かい、第7艦隊担当エリアに入ると、一旦グアム島に補給のため立ち寄りました。そして1月からこの地域に展開している空母セオドア・ルーズベルトの空母打撃群とフィリピン海で共同訓練を実施しています。
さらにニミッツ空母打撃群は、日本に前方配置されている空母ロナルド・レーガンの空母打撃群と、フィリピン海と南シナ海で再三にわたって共同訓練を実施。南シナ海で駆逐艦ラルフ・ジョンソンが「航行の自由作戦」も行うなど、この地域の平和と安定にアメリカが深く関与する姿勢を見せてきました。
7月下旬に入り、南シナ海から南進したニミッツ空母打撃群。7月20日にはインド洋で、インド海軍との共同訓練も実施しています。訓練を重ねて練度を高めた状態で、中東地域を担当する第5艦隊のエリアに入りました。
ニミッツ空母打撃群を率いるカーク少将は、中東入りを受け「ニミッツ空母打撃群の将兵は、これまで実施してきた任務について誇りを持っています。同時に、第5艦隊エリアで任務を遂行し、自由交易を守って妨害を阻止し、我々の関心事を守り、地域の同盟国やパートナー国をサポートする準備ができていることを自覚しています」と語り、これまで重ねてきた訓練で、任務遂行へ準備万端整っていると強調しています。
第5艦隊の担当エリアはペルシャ湾、オマーン湾、紅海など、紛争の火種が絶えない場所。ほかの地域と違い、すぐに実戦へ投入される可能性も高いため、ハイペースで訓練を重ねてきたといえます。
現在、この地域には空母ドワイト・D・アイゼンハワーの空母打撃群が遠征任務についていますが、ニミッツ空母打撃群が到着したことにより、遠征を終えてアメリカ本国へ帰還することができるようになりました。ニミッツ空母打撃群は、アイゼンハワー空母打撃群からの任務引継ぎを経て、しばらく中東で不測の事態に備えます。
<出典・引用>
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)