ロシア、ウラル山脈の東に位置するチェリャビンスク地域で2020年10月3日(現地時間)、地域住民との交流イベント「ウラル戦車フェスティバル」が開催されました。イベントではT-72B3Mなど現役の装甲戦闘車両のほか、第二次世界大戦終結75周年を記念して動態復元されたT-34戦車、IS-3戦車なども展示されています。

 この「ウラル戦車フェスティバル・戦車町(タンコグラード)のパンツァー」は、地域住民と軍とが交流し、相互理解を深めるもの。日本での自衛隊駐屯地解放行事や航空祭と同じ目的の広報イベントです。

 チェリャビンスクはロシア最大級の重工業地帯で、第二次世界大戦中はドイツ軍の侵攻により疎開した軍需工場が加わり、主力戦車のT-34やロケットランチャーなど数多くの兵器が作られました。中心都市のチェリャビンスクは「戦車の町(タンコグラード)」の別名で知られています。

 イベントでは、T-72B3M戦車など現役の装甲戦闘車両に加え、大祖国戦争(第二次世界大戦の独ソ戦)終結75周年を記念して動態復元されたT-34戦車やIS-3戦車、ISU-152自走砲といった歴史的な車両20両以上が参加。静態展示で実際に乗ることもできます。



 展示だけでなく、大祖国戦争当時の戦闘を再現する「リナクトメント(reenactment)」も実施。兵士らは再現された当時の軍服を着て、戦車とともに小銃を撃ちながら進軍する様子を実演しました。


 このほかにも、戦車の卓越した操縦技術を見せる「戦車のバレエ」や、T-72B3M、BTR-80、BTR-80AMなどによる装備品パレードも行われました。来場者は戦車の華麗な動きに拍手を送ります。


 また、会場には自衛隊の広報行事と同じく、志願者予備軍に対する説明会コーナーも開設されています。資料を前に募集官が説明する様子は、日本の自衛隊イベントと変わりませんね。

 ロシア軍の発表によると、このイベントに来場した地域住民は約5000名とのこと。陸上自衛隊の駐屯地開放行事と変わらないくらいの人々が詰めかけたそうです。

<出典・引用>
ロシア国防省 ニュースリリース
Image:ロシア国防省

(咲村珠樹)