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どうして関東左で関西右?駅のエスカレーターに設置されたスタンドが話題

 筆者は出身は関西なのですが、仕事で以前関東に住んでいたこともあり、「西」と「東」の文化の違いを身をもって体感しております。

 それは大小様々なところであるため、全ての内容を書き記すのは難しいのですが、特に代表的なものに関して、Twitterで大いにウケているみたいです。知らんけど。

  •  「趣味で、主にJR琵琶湖線の鉄道映像を使って、動画サイトに投稿しています」というアズサネさんが、この日自身のTwitterに投稿した4枚の写真。

     そこには、「たまたま通りがかった際に見つけたんです」と、兵庫県神戸市にある「新開地駅」の、「東西線」こと阪神神戸高速線の阪急阪神側(阪急電鉄・阪神電鉄)から、「南北線」こと神戸電鉄側へ向かうエスカレーターに設置しているスタンド。

     一体何が記されているかというと、フリー素材サイト「いらすとや」のイラストを用いて、母娘が会話しているかのような内容。1枚目と3枚目の娘の台詞に関してはピンク、母親部分の2枚目と4枚目については、ブルーで配色されています。

     まず1枚目には、娘側が「ねえ、お母さん!どうして“少し前まで”エスカレーターは『関東は左側』なのに『関西は右側』に立ってたの?」と母親に“質問”。

    投稿者がつぶやいた4枚の写真にはいらすとやの母娘の会話の様子。

     すると2枚目では、「そうねぇ、お母さんが思うには関東に対抗意識があったんじゃない!『阪神―巨人』のようなものよ!」と母親が“返答”しています。知らんけど。

    関西と関東の乗り方の違いについて問う娘に「的確」に返答する母。

    それに対して、「ねえ、お母さん!いつまでこのアイキャッチ続けるの?」と、娘がやや食い気味に“メタ的質問”。

    ついついメタ的問答をしてしまう娘。

     これには、「みんなエスカレーターを立ち止まるか、このアイキャッチの担当者が、悪ふざけして新開地駅長から怒られるまでよ」と母親は“大人の回答”。

    それに対して、母親は大人の回答。イイオカアサンダナー。

     もうお察しの方もおられると思いますが、これは関西と関東におけるエスカレーターの乗り方の違いについて語った内容。

     実は大阪府と兵庫県といった関西地方では、エスカレーターに乗るときは右側に寄る習慣があります。反対に東京を始めとした関東地方では、左側に寄って昇降。筆者も、仕事などで新幹線で新大阪から東京で行く際、降りた先の東京駅ホームのエスカレーターでは、ついつい右に寄ってしまうくらい、大阪と兵庫では定番化しています。

     これは今から50年ほど前に、阪急電鉄が「左側に空けるように」と、梅田駅(現在は大阪梅田駅)にてアナウンスをしたのがきっかけとされています。一方東京では、そこから20年ほどたった1990年代に、自然発生的に左側に寄るようになったといわれています。

     ところがこの「片側あけ」の習慣、近年では「やめよう」という呼びかけが駅や大きな施設などでは行われています。理由は「動くエスカレーターを歩く行為は危険」「両側人が立つことで輸送効率があがるから」などあります。

     今回置かれていたスタンドも「みんなエスカレーターを立ち止まるか、このアイキャッチの担当者が、悪ふざけして新開地駅長から怒られるまでよ」と最後に会話しているので、「エスカレーターでは立ち止まりましょう」というメッセージが大元にはあるようです。なお、鉄道や施設によってはより積極的に注意をよびかけているので、もしかするとこの「片側立ち」文化は徐々に消滅していくかもしれませんね。

    ※初出時、エスカレーターとすべきところ2か所エレベーターと誤って記載しておりました。訂正しお詫びいたします。

    <記事化協力>
    アズサネさん(@higashi_neya)

    (向山純平)

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