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指先に宿る「お馴染み」の顔 日本酒ネイルの新作は古くて新しい定番銘柄

 お酒のビンを彩るラベルは、様々なデザインでお酒の個性を表現した、いわば顔のようなもの。お酒と一体になった存在ではありますが、ラベルをコレクションする人もいるように、単体で見ても面白いものです。日本酒を愛してやまない女性が、定番の日本酒銘柄のラベルをネイルにして紹介しています。

  •  Twitterユーザーのみちゅさんは、ユーザー名に「日本酒を可愛く」と記していることでも分かる通り、日本酒を可愛く楽しむイベントを開催するなど、日本酒が大好きな女性。日本酒を飲んで楽しむだけでなく、日本酒に可愛いイメージを作り、もっと日本酒を楽しむ女性を増やしたいという夢も抱いています。

     みちゅさんが提唱する「日本酒を可愛く楽しむ」方法のひとつが、日本酒ラベルをネイルアートにした「日本酒ネイル」。ネイリストのアンリッホさん(@anri6624)と一緒に、再現性の高いネイルアートで指先から日本酒の魅力を発信しています。

    日本酒ネイルはネイリストのアンリッホさんによるもの(みちゅさん提供)

     今回、Twitter上で紹介された「日本酒ネイル」は、誰もが一度は目にしたことのある大手日本酒メーカーの定番銘柄。指の大きさに合わせ、親指はこも樽、小指はカップ酒と商品の大きさを分けているのも見どころです。

     描かれている銘柄は、左手の親指から樽酒の「花の舞(静岡県・花の舞酒造)」、「佳撰 松竹梅(京都府・宝酒造)」、「沢の鶴 上撰 本醸造(兵庫県・沢の鶴)」、「黄桜 呑(京都府・黄桜)」、「日本盛 サカリカップ300(兵庫県・日本盛)※旧デザインラベル」。右手小指からは「ワンカップ大関(兵庫県・大関)」、「白鶴 まる(兵庫県・白鶴酒造)」、「菊正宗 キクマサピン(兵庫県・菊正宗酒造)」、「上撰 黒松白鹿 本醸造(兵庫県・辰馬本家酒造)」、親指が樽酒の「月桂冠(京都府・月桂冠)」。

    新作の日本酒ネイルは大手メーカーの定番銘柄(みちゅさん提供)

     左手親指の「花の舞」を除いては、すべて江戸時代から酒どころとして知られた灘(兵庫県)と伏見(京都府)の銘柄。スーパーなどでもよく見かける、いわば「お馴染みの顔」といえます。

     これらの銘柄を取り上げた理由について、みちゅさんは「日本酒ネイルをしていて気付いたのですが、日本酒のラベルって芸術的で本当に素敵なんです。日本酒の漢字がドーンとしているラベルって『ただ渋いだけ』と思っていたんですが、一周回って最近は、その渋さが逆に『レトロ可愛い』と思うようになりました」と語ってくれました。

     これまでは「どちらかというと漢字がない今時のおしゃれなラベルの方が好きだった」というみちゅさん。銘柄を漢字でズバッとデザインしたラベルには歴史と伝統があり、その良さを再認識したということのようです。

    おしゃれなデザインの銘柄を集めた日本酒ネイル(みちゅさん提供)

     今回の日本酒ネイルに取り上げられたラベルには、著名な芸術家が手がけたものも。「日本盛」の文字は、夏目漱石の「吾輩は猫である」挿絵や、伊藤左千夫の「野菊の墓」装丁・挿絵を手がけた画家で、書道博物館(東京都台東区)を創設し書家としても知られる中村不折によるもの。中村不折は日本酒の「真澄(長野県)」や、新宿中村屋の字も揮毫しています。

     また「月桂冠」は、中村梧竹、巌谷一六とともに明治の三筆と呼ばれた近代書道の大家、日下部鳴鶴によるもの。青山霊園にある大久保利通の墓碑、大久保公神道碑(1910年)を揮毫したことでも有名です。

     みちゅさんは取材に対し「飲むだけじゃなく、見て楽しむのありだし、こうやってファッションに取り入れるのもありだと思います。今回は『飲む』以外にも、日本の誇りである日本酒を楽しむ方法のひとつとして、また新しい選択肢のひとつになればいいなと思いながら、大手メーカー様の日本酒をネイルに取り入れさせていただきました」と思いを語ってくれました。

    様々なラベルがネイルアートに(みちゅさん提供)

     お酒のビンやパッケージから指先に場所を移すだけで、また違った魅力を放つ日本酒のラベル。デザインとしての面白さ、美しさを感じさせるネイルアートです。

    <記事化協力>
    みちゅさん(@michu_osakegirl)
    アンリッホさん(@anri6624)

    (咲村珠樹)

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