点眼薬の「マイティア」などで知られる千寿製薬が、「瞳のチカラ」をテーマに意識調査や会場調査を実施。その結果をまとめた「瞳のチカラ白書」を発表する、メディア向けオンラインセミナーが開催されました。

 「目は口程に物を言う」ということわざもあったり、最近ではコロナ禍でマスクをする機会が多くなったことで、より目の印象が重要になっています。そんな背景もあり、記者も注目してセミナーを見ていました。

 今回のセミナーでは、「瞳のチカラ白書」をもとに現代日本人の瞳の現状と課題の考察が行われました。セミナーでは最初に千寿製薬の安藝博さんが登壇。全国5640人の意識調査と217人の会場調査の結果について説明がありました。

千寿製薬の安藝博さん

 意識調査では、他人の印象を判断する顔のパーツについて「目や瞳」と回答した人が全体の約半数前後いたにもかかわらず、自分の瞳の綺麗さに「自信がある」と答えた人は、わずか20%程度。80%の人が自信が無いという結果が出たとのこと。そして約半数の人が、目を見るのも見られるのも苦手という結果に……。

 さらに約85%の人が目になんらかのトラブルを抱えていていることも分かったそうです。中でも女性は目の疲れを感じていると分かっていても、半数以上がスマホを見るのをやめられないという実態も浮き彫りになりました。

約85%の人が目になんらかのトラブルを抱えている

 続いて会場調査の結果を発表。約65%の人がドライアイの疑いがあることが判明し、特に女性は7割近くが該当(男性は約6割)。

 また、瞳に光を当てて、その反射度合いを考察する「瞳のかがやき」測定を行ってみると、ドライアイの疑いがある人の約7割は、照射した光がにじんでしまっていました。

 これは光をうまく反射できず、かがやきが損なわれていると判断できるとのこと。つまりドライアイの可能性がある人は、「目のかがやきが損なわれている可能性もある」ということですね。

 それでは目のかがやきを取り戻すにはどうすれば良いのか?次に登壇した二本松眼科病院副院長で眼科専門医の平松類さんが説明をしてくれました。

二本松眼科病院副院長で眼科専門医の平松類さん

 ドライアイというと目が乾く印象があり、涙の量が少ないと思われがちです。たしかに量も大切ですが、平松さんによると「涙の質も大切」なのだそうです。

 涙の質の低下を防ぐためには、まぶたにあるマイボーム腺と呼ばれるところから分泌される油分を良質なものにする必要があるとのこと。

油分を良質なものにする必要がある

 ちなみに女性は、アイラインを引きすぎたりすることでマイボーム腺をふさいでしまったり、油をひかえたダイエットをしたり、冷え性(まぶたの血流が悪くなる)の人が多かったりするため、ドライアイになるリスクが高いそうです。

 そこで油分を良質なものにするためには、サバやイワシなどの青魚やくるみ、えごま油などを食べること。メイク落としでは目のふちをきれいにする。そして、30分程度の有酸素運動を週2~3回する。さらにまぶたを温めて目元の血行を良くすることが有効とのことです。もちろん、目薬をさして乾燥を防ぐのも効果的。

油分を良質なものにするためには、サバやイワシなどの青魚やくるみ、えごま油などを食べる

 ちなみにセミナー後の質疑応答の時に、「瞳のかがやきに視力の良い悪いは関係あるのか?」聞いてみたところ、直接の因果関係は無く、近視の人の方がかがやいているとか、遠視の人の方がかがやいていないなどということは無いとのことでした。

 最後に、コミュニケーションにおいて「瞳のチカラ」がどのような意味を持つのか、瞳を駆使したコミュニケーションなどについて、イメージコンサルタントの堀岡桂子さんが登壇し、お話をされました。

イメージコンサルタントの堀岡桂子さん

 そもそも前述したように、日本人は目を見て相手の感情などを判断する文化であるにもかかわらず、目を見るのも見られる(アイコンタクト)のも苦手。

 堀岡さんによると、それにはいくつか理由があり、相手の目を見つめすぎることが失礼になるという文化や、SNSなどの進化により、直接対面する頻度の低下やもあるからだそうです。

日本人は目を見るのも見られる(アイコンタクト)のも苦手

 それを解決する方法として、目線を少しだけずらすこと。ずらす時は横にずらすと相手を否定しているような感じになってしまうため、縦にずらすと良いそうです。さらにアイコンタクトをする時間は短くても良く、そのかわり頻度を増やしていくことが重要と話していました。

 続いて、瞳のチカラを引き出すため、瞳の魅力をアップさせるために「色」を活用する技を紹介。例えば、白目の部分が黄味がかっていて瞳の色が明るめのブラウンの人は、顔周りにメイクやメガネなどで透明感のある明るい色を持ってくると、より瞳がかがやいて見える。逆に青みの強い色や暗い色などを持ってくるとかがやきが損なわれてしまうとのことです。

瞳の魅力をアップさせるために「色」を活用する

 最後にイメージコンサルタントが考える印象は、3つの要素で構成されていることを教えてくれました。印象は「A・B・C」、Appearance(見た目)・Behavior(立ち居振る舞い)・Communicationで構成されているそうです。

 そして「瞳のチカラ」を駆使したコミュニケーションは、「A・B・C」すべての要素が必要になってくると言い、逆に言うとこれが出来ればすべてが網羅され、劇的に印象がアップするとのこと。

 「A・B・C」を網羅するためには、アイコンタクトや自分に合った色を知ることで瞳をかがやかせて、自己肯定感を高めることが大切であると話していました。

参考:「瞳のチカラ白書」2021年度版
取材協力:千寿製薬株式会社

(取材:佐藤圭亮)