小さな子どもを育てていると「早くしなさい!」と言いたくなるタイミングってありますよね。玄関で全然靴を履いてくれない時、お風呂上りに服を着てくれない時、おもちゃを片付けてくれない時……。早くして欲しいタイミングは一日に何度も訪れます。私も含め、ついイライラしてしまうママも多いのではないでしょうか?
子どもの準備が捗らないのは、保育園でも例外ではありません。朝の準備や、トイレへの誘導など、なかなか動いてくれない園児たちを、スムーズに誘導しなければなりません。
今回は、ベテランの保育士さんたちが実践している、子どもにスムーズな行動を促すための小技を紹介します。実際に私も、ママとして、保育士として真似しています。全ての子どもにいつでも効果があるとは限りませんが、少しでも子育ての手助けになると嬉しいです。
■ 時限爆弾付きカウントダウン
子どもに急いでもらいたい時、一番簡単に実践できる方法はカウントダウン。既にやっているママも多いのではないでしょうか?
「10、9、8……」数を数えるだけで子どもが頑張ってくれるので、ママにとっては一番楽な方法ですよね。私も我が子によく使います。ただ、使いすぎて効果が薄れていませんか?
そんな時は「0になったら爆発するよー」とか「こちょこちょするよー」と、遊びの要素を追加すると、楽しみながら行動してくれるようになります。
さらにおすすめなのは、「0になるまでにできたらギューしよう!」「ヨシヨシするね!」など、子どもが喜ぶことを提案すると、頑張ってくれます。ママの方も(ギューして欲しくてこんなに頑張ってくれているのか)と思うと、我が子をさらに愛しく思えます。
準備も早くできて、愛情も深まる。まさに一石二鳥です。
■ 実況中継
お片付けやお着替えの時に有効なのが実況中継。子どもの一挙手一投足を実況します。
「あ、今〇〇ちゃんが車のおもちゃを片付けようとしています。上手にできるでしょうか?」
「今まさに、〇〇ちゃんがズボンを履こうとしています。おおっと、右足が入りました。さぁ、次は靴下を履くのでしょうか?上手に履けるかな?」
など、子どもの行動を実況します。子どもは、ママに見られることがとても好きなので「ちゃんと見てもらえている」といった安心感にもつながります。
この方法のポイントは、子どもを行動して欲しい方向へ促す実況をすること。例えば「おーっと、全然片付けようとしません、また遊び始めてしまいまいました!」など、やめて欲しいことを実況してしまうと、逆効果になってしまいます。
「あ、今もしかして着替えようとしていますね?」や「お片付けが始まりそうです。」など、言葉で誘導すると、意外とすんなり行動してくれる子もいます。
■ ママと競争ね!よーいドン!!
公園から全然帰ろうとしてくれない時や、夕ご飯なのに席についてくれない時、お風呂に入ってくれない時などに威力を発揮する方法です。
子どもは、大人よりも切り替えが難しいと言われています。子どもからすると、自分が公園で遊んでいるのに、「早く帰るよ」と言われても「まだ遊びたい」と思うのは当然のこと。
逆に切り替えさえ上手くいけば、子どもはすんなり次の行動に移ってくれます。その心理を使った方法が、ママとの競争。子どもは「現在の遊び」から「ママとの競争(次の遊び)」に気持ちを切り替えることができます。
ただ、この小技は子どもを選ぶようです。日頃聞き分けの良い子や、争いを好まない優しいタイプの子には全く響かないことも。反対に、負けず嫌いな子や活発な子には効果抜群です。
効果抜群な子の場合には一つ注意点も。「ママとの競争」とよびかけると一気に駆けだしてしまうことがあります。もしこれが公園ならば一人で道路に飛び出すことにつながります。試す場合には「よーいドンでスタートだよ」としっかり事前に言いきかせることや、競争する「場所」を選ぶことが重要です。
【一柳ひとみ:筆者プロフィール】
都心にあるシティホテルで、サービススタッフ、宴会担当や婚礼担当(ウエディングプランナー)として、10年以上勤務。現在は3児の子をもつ母。保育士として働きつつ、臨時で結婚式の仕事やライター業も行っている。