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まるで魔法みたい!絵具のにじみを利用したたぬきの水彩画

 水彩画の技法でたぬきを描く様子の動画が、ツイッターで注目を集めています。

 水彩画ならではの「絵具のにじみ」で、たぬきの輪郭を形作る光景は魔法のよう。着色に要した時間はわずか30秒という、シンプルでありながら無駄がなく洗練された筆遣いに思わず見入ってしまいます。

  •  描いたのは、水彩作家のすずきあやえさん(@_cocotto)。過去にも同様の技法で、さまざまな動物のイラストを描き、SNSを中心に公開してきました。

     先日発売した書籍「もふもふ・かわいい はじめての透明水彩」出版時に動物をたくさん描きすぎてしまい、「何か見たい動物があればリプ等で教えてください」とツイッターで呼びかけたところ、初めに挙がったたぬきを描くことにしたそうです。

     用紙は株式会社オリオンより販売されている「麻王」という和紙を使用。あらかじめ色鉛筆でたぬきの顔や手足のパーツを描いておき、その上から水彩絵具で着色をする方法で描かれています。

    紙に描かれたパーツがたぬきに変身します

    まずは頭から着色していきます

    続いて胴体

    続けて耳、しっぽを描いて完成

     筆を用紙につけた回数はわずか6回。やりかたを理解すれば絵が苦手な人でも、これならなんだか真似できそう!と感じる作品ですが、これはすずきさんが特にこだわっている点です。

     短時間かつシンプルな作品を生み出す工程は、色を塗るという単純な動作だけで完成させられるようになっています。コロナ禍において家で過ごす時間が増える中、動画を見た人が実際にやってみたくなるといいな、という狙いがあるからだそうです。

     描き方のコツを聞いてみたところ、「私の描き方だと麻王(紙)の使用は必須になるのですが、他のコツとしてはなるべく水含みの良い筆を使うことと、身構えずのびのび描くことでしょうか」と説明。

     続けて「筆先を紙につけている時間や力具合、水加減によっても滲み方が毎回変わるので、全く同じ絵を描くことはできません。なので、どんなイラストに仕上がっても、そのイラストに愛着をもってもらえたらと思います」と、イラストの出来不出来より、まずはトライしてみること、そして完成した作品を愛することの大切さを語ってくれました。

     このたぬきは掲載されていませんが、描き方の動画や手順は前述の著書「もふもふ・かわいい はじめての透明水彩」にて詳細に説明されているとのこと。もちろんこの技法は、動物に限らず、植物や果物など幅広く応用が可能です。絵が得意な方も、苦手な方も楽しく描くことが出来そうですね。

    <記事化協力>
    すずきあやえ*水彩作家 3月9日書籍出版(@_cocotto)

    (山口弘剛)

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  • 山口 弘剛‌Writer

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    鹿児島出身・鹿児島在住。私生活では妻と共に2人の子どもを子育てしながら、地元のサッカークラブを熱烈応援中。仕事は元アパレル店長、元ゲームショップ店長を経験。現在はライター、イラストレーターとして活動。

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