会社員のミケランジェロさんは、2020年夏に事故で利き手の右腕を切断して以来、義手を装着して生活しています。

 現在は「能動」と「筋電」の2種類の義手を併用しつつ、営業の仕事に従事。「日常」をTwitterで発信している中で、先日は「内部構造」の動画を紹介。2万を超えるいいねが寄せられる反響となっています。

 「実は自分でもあまり見ることがないんですが、見栄えはあるので投稿しました。正直ここまでの反響があるとは、思っていませんでしたね」

 今回ミケランジェロさんが投稿したのは、筋電義手を装着して手を握ったり広げたりする様子。これは同型の義手を使っているChristian Steffenさん(Instagram: chris_sthlstn)が撮影し、Instagramに投稿した動画を紹介したもので、内部構造と動作の原理はミケランジェロさんの義手と共通だとのことです。

 ちなみに普段はメカ部分がむき出しになっていると、異物が入り込んで動作不良を起こしてしまうため、アームカバーをしているそうです。

普段はアームカバーをしている義手。

 約30秒の動画では、完全ではないものの指部分を握ったり開いたりする義手が映されています。親指に関しては、てのひら部分に入っているカム構造により、指の「開閉」が可能となっています。

筋電タイプと呼ばれる義手。

30秒近い動画で作動する様子が紹介されています。

 思いのほかスムーズに作動する動きには、多くのTwitterユーザーが注目。2万を超えるいいねに、ガッツ(ベルセルク)やエドワード・エルリック(鋼の錬金術師)やヴァイオレット・エヴァ―ガーデンなど、義手を装着したキャラクターを想起したという反応が続々と寄せられています。

 まさに現代のオートメイルともいえる、メカメカしい義手の内部構造。一方、握力に換算すると7キロほどという弱めの力、筋肉を動かす際に発生する筋電流を利用するので操作性の難しさも有しているという、ミケランジェロさんの義手。義肢装具士の国家資格を持つ職人が、一つ一つ丹念に作り上げるため、手元に来るまでにはそれなりの時間も要したといいます。

 そんな条件下で、利き手を変えることを余儀なくされながらも「猛スピードでリハビリを行い復職しましたね」と語るほどの血のにじむ努力で、日常生活で使えるレベルまで義手を操作できるようになりました。

血のにじむ努力で義手のリハビリに取り組んだ投稿者。

 「義足は比較的メディアに取り上げられますが、義手はそうでもありません。なので今回の反響は嬉しいです」

 「義足はもちろんのこと、これからは私のように、義手を装着して生活している人にももっと注目が集まる世の中になれば何よりですね」

 今回の取材に対しミケランジェロさんは最後、このように語っていました。

<記事化協力>
ミケランジェロさん(@Twepf9pOm6k7KuF)
Christian Steffenさん(Instagram: chris_sthlstn

(向山純平)