「うちの本棚」、今回は永井 豪の代表作『マジンガーZ』シリーズへのオマージュ作品『マジンガーエンジェル』をご紹介します。
永井 豪原作のロボットアニメシリーズに登場したヒロイン、女性キャラクターを主人公に、レディースロボットが活躍する作品。元になった漫画・アニメの男性主人公は登場せず、『UFOロボ グレンダイザー』の大介、デューク(同一人物)の名のついた犬が登場するのみ。
基本的にはテレビドラマで映画化もされた『チャーリーズ・エンジェル』をマジンガーの女性キャラでやったというもの。最初の発想がパロディ色があるせいか全体的にコメディ調に描かれており、随所にダイナミックプロ作品のアニメ、漫画のキャラクターが登場している。また第4巻に収録されたエピソードでは、劇場版マジンガーの第1作『マジンガーZ対デビルマン』をマジンガーエンジェルでリメイク、さらには最後のエピソードとして劇場版最終作『決戦! 大海獣』と原作版『マジンガーZ』の最終エピソードをミックスしてリメイクしていた。
マジンガーエンジェルとして活躍するのは、弓さやか、炎ジュン、牧場ひかる、マリアの4人だが、ストーリー中盤から元マジンガーエンジェルとして如月ハニーなどもくわわる。
最初のエピソードに登場するあしゅら男爵は男女がひとつの体になった原作版とは違い、夫婦として男女ふたりに描かれているが、陰で機械獣を操るドクターヘルやブロッケン伯爵はそれほど原作版(というかアニメ版)との違いはみられない(さすがにブロッケン伯爵は首もつながった普通の人間になっているが)。
登場する機械獣なども原作やアニメに登場したものばかりで、それらを見るのも楽しい。が、やはりレディースロボットが全面に立って活躍するという本作のコンセプト自体がだんぜん楽しいしうれしいと言えるだろう。
本作はコミック以外の企画とも関連してスタートしていたようで、本作に登場するレディースロボットのデザインでフィギュアも発売されている上、イメージCDも発売された。
初出/講談社・マガジンZ(2004年8月号~2005年8月号、2005年10月号~2006年4月号、2006年6月号~2007年1月号)
書誌/講談社・マガジンZKC(全4巻+ファンブック1冊)
■ライター紹介
【猫目ユウ】
ミニコミ誌「TOWER」に関わりながらライターデビュー。主にアダルト系雑誌を中心にコラムやレビューを執筆。「GON!」「シーメール白書」「レディースコミック 微熱」では連載コーナーも担当。著書に『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』など。