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【特撮映像館】Act.21 地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン

update:

「ナナメ観特撮映像館」、今回はキングギドラに継ぐ悪役人気サイボーグ怪獣ガイガンが登場します。

前作『ゴジラ対ヘドラ』は夏休み、本作は春休みに合わせての公開となり、以後昭和ゴジラシリーズは春休みの公開となった。


  • 福田 純監督が再びメガホンをとり、音楽も伊福部昭が担当しているのだが、防衛軍の出撃シーンや民衆の避難シーン、キングギドラとゴジラ、アンギラスの戦闘、ギドラによる街の破壊シーンなどなど、過去の作品からの流用映像が多く、音楽も流用されている。

    地球を狙って侵入してきているゴキブリ型の宇宙人は、その星が人類と同じような生物がかつて支配していたが滅亡し、その道を地球の人類も歩んでいるといい、自分たちの星の寿命が近づいたので地球を占領しようとしている。しかし、進んだ科学力を持っているものの、コンピュータの指示にばかり頼っていたため主人公たちの活躍により企みは失敗に終わる。このあたり、『怪獣大戦争』のX星人と同じようである。

    この作品での見どころは、新怪獣のガイガンである。腹に回転カッターを持った強力な破壊力が魅力で、ゴジラもアンギラスもこのカッターで流血するシーンがある。特撮ファンにとっては菱見ユリ子の出演も見逃せないところだろう。『ウルトラセブン』当時とはイメージの違うキャラではあるが、菱見が登場すると「おっ」と思ってしまう。

    過去作品からの映像流用で全体としては迫力のある画面が続くのだが、改めてシリーズを順番に見てくると、本作だけの新撮り部分がどうしても物足りなく見えてしまう。また、本作ではゴジラトアンギラスがマンガ風のフキダシで会話するシーンが観られる。ついにゴジラもここまできたかと、ファミリー路線を象徴するシーンだが、海外版では文字ではなく声優によるセリフによって会話しているとのことである。

    監督/福田 純、特殊技術/中野昭慶
    キャスト/石川 博、梅田智子、菱見ユリ子、村井国夫、ほか。
    1972年/日本/89分

    (文:猫目ユウ)

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    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
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