1952年に「海上警備隊」として発足した「海上自衛隊」は2012年で発足60周年を迎えた。
現在、海上自衛隊では約4万5000人の隊員が任務にあたっているが、彼らの活動を内外に伝える役割を担っているのが「海上自衛隊写真員」。
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災害などが起こると、海上自衛隊は国内外へと派遣され、また、日本の海の安全を護るため、日々訓練を重ねている。
これらの活動記録を、海上自衛隊写真員は発足当初から撮り続けてきた。
新人物往来社から発売された「海上自衛隊写真員が撮らえた任務と訓練の歴史」では、福島第一原発事故における給水支援作戦「オペレーション・アクア」をはじめ、ソマリア沖海賊対処行動、南極観測支援活動、日米共同訓練、災害派遣など、海上自衛隊写真員=自衛官にしか撮ることのできない世界が、撮影者の「証言」(写真員が執筆)と共に収録されている。
今回、本書を紹介するにあたり、新人物往来社から貴重な一冊をお借りしたのだが、収録されている写真はまさに「凛とした」という言葉がふさわしく、いずれも気高く美しい。
寸分の乱れもなく陣形を組んだ艦隊は空から、朝日を背に着陸訓練するヘリを捕えた姿は艦上から、そして災害派遣などで派遣された被災地では被災者たちのありのままの姿が……、まさに写真員は写す物や場所を問わずに活動していることが伺える。
普段テレビや新聞などでは見ることのできない、海上自衛隊ありのままの活動記録とも言うべき本書。
写真一枚でここまで心揺さぶられる事があるのかと感動する写真ばかり。一人でも多くの人に是非一度手にとって欲しい一冊である。
●概要
■タイトル/『海上自衛隊写真員が撮らえた任務と訓練の歴史』
協力:海上自衛隊
■発売日/発売中
■定価/1,800円+税(税込1,890円)
■発行所/新人物往来社