おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

子供用リードは「あり?」「なし?」ネットで物議

この数年利用者が急増しているとされる「子供用リード(迷子ひも)」。
子供の飛び出しや迷子のトラブルなどが避けられるとして人気になっています。

  • 【関連:Twitterの「#進撃の育児」タグが腹筋を酷使するほどに笑えると話題】

    イメージ

    形はリュックに紐がついているもの、背中に背負う縫いぐるみに紐がついているもの、ハーネスに紐がついているものと様々あり、最近は凝ったデザインのものも数多く登場しています。

    ただ安全上とは別に、その見た目について疑問を感じる人が多く、世間で議論となることがしばしば。
    昨日(6月5日)も、朝日新聞が報道した「幼児用リード、じわり浸透 安心?それとも違和感?」という記事をきっかけに、ネット上で議論が再燃していました。

    ネットにある意見を見てみると、主に子育て世代からの反応は「賛成派」が多いようです。ただし、一部の利用者からは「急に飛び出した時の勢いでひっくり返ったことがある」「子供が動き回って使いにくかった」という意見もみられました。

    【目立った意見】
    ■賛成派
    ・轢かれてからじゃ遅い
    ・どこ行っても車があるんだから有り
    ・子供の安全が最優先だから
    ・安全には代えられない

    ■反対派
    ・犬の散歩みたい
    ・違和感
    ・普通に手を繋げばいいのにバカ親
    ・自分が楽したいだけ
    ・ベビーカーに乗せればいいじゃん
    ・奴隷みたい

    今回批判している人達の意見を見ていくと、批判する理由は概ね「安全性」ではなく「見た目」の方。「子供リード=子供を動物(物)のように扱っている」という風に映っているようです。
    確かに見慣れていない人にとっては、そう映ってしまうかもしれませんし、昔の育児が印象にある人は特に違和感を感じるかもしれません。

    ただ現代は交通量の多い車社会。例えば、自動車検査登録情報協会が発表している『自動車保有台数の推移』によると、保有台数合計はデータ初年の昭和41年・8,123,096台から年々増え続け、昭和50年・27,870,475台、昭和60年・46,362,874台、そして最新の平成27年2月末には81,093,798台とされています。今子育てをしている世代の子供時代より倍近く台数が増えていることになります。

    交通事故発生件数については、道路整備、信号機、道路標識等の交通安全施設が進んだことや、警察の取り組みもあり年々減少傾向にあります。しかし、台数が増えている以上は完全に安心という訳ではありません。

    ■自動車保有台数の推移より「合計」を抜粋(自動車検査登録情報協会発表)
    ・昭和41年(1966年):8,123,096台
    ・昭和50年(1975年):27,870,475台
    ・昭和60年(1985年):46,362,874台
    ・平成元年(1989年):55,136,643台
    ・平成10年(1998年):72,856,583台
    ・平成20年(2008年):79,080,762台
    ・平成27年(2015年)2月末:81,093,798台

    ■交通事故発生状況の推移より「発生件数」を抜粋(警察庁交通局発表「平成26年中の交通事故の発生状況」
    ・昭和41年(1966年):425,944件
    ・昭和50年(1975年):472,938件
    ・昭和60年(1985年):552,788件
    ・平成元年(1989年):661,363件
    ・平成10年(1998年):803,882件
    ・平成20年(2008年):766,382件
    ・平成26年(2014年):573,842件
    ※件数は全世代対象です。

    私(筆者)は2人の子を持つ親ですが、子供とずっと手を繋いで出歩くなんて至難の業だと感じています。そして上記のような状況下、何の対策もせず外出するのは、地域によっては事故や迷子になりに行くようなものだと考え、子供達がまだ小さいころには、この子供用リードを率先して使用していました。子供はいくら手をつないでいたって興味を持つ物があればスルリと抜けてパッと飛び出したりしますからね。かといって、いつまでも歩ける子供をベビーカーに乗せて連れ歩くわけにも、抱っこしつづける訳にもいきません。
    恐らくこうした事情があり、特に人口の多い都市部を中心に、子供用リードを使用する人が増えているものと考えられます。

    今はまだ子供用リードに対する違和感を感じる人が多く存在していますが、子供用リードの普及が今後更に進むにつれ、見慣れることで徐々に批判の声は減っていくことが考えられます。
    育児を取り巻く社会的環境をみても、昨今話題になっている「マタニティーマーク論争」や「保育園騒音問題」にあるとおり、今世間からは「育児で周囲に迷惑をかけない」事が求められているようですから……。なんだか世知辛い世の中ですが、こういう状況下ですので、利用者が増えることはあっても減ることは決してなさそうです。

    そうして子供用リードが当たり前になっていった暁には、今度は「子供用リードつけず出歩くなんて親はなにしてるんだ!」なーんて言われる日も、そう遠くない内にやってくるのかな?そんな気がします。

    (文:栗田まり子)

    あわせて読みたい関連記事
  • プレゼントをむき出しで放置…「あわてんぼうの親御サンタ」に共感の声
    インターネット, おもしろ

    プレゼントをむき出しで放置…「あわてんぼうの親御サンタ」に共感の声

  • 「おとうとのびょうきをなおして」7歳の兄がサンタに託した切実な願い
    インターネット, 感動・ほのぼの

    「おとうとのびょうきをなおして」7歳の兄がサンタに託した切実な願い

  • 子どもに「ハート描いて」と頼まれた心臓外科医 ガチすぎる“ハート”を描き上げる
    インターネット, おもしろ

    子どもに「ハート描いて」と頼まれた心臓外科医 ガチすぎる“ハート”を描き上げる

  • タオルが好きすぎる2歳児の完全装備 強すぎて笑うしかない
    インターネット, おもしろ

    タオルが好きすぎる2歳児の完全装備 強すぎて笑うしかない

  • 知らなかった……チャイルドシートに厚着のまま乗せるのは危険 日本小児救急医学会が注意喚起
    インターネット, 社会・物議

    知らなかった……チャイルドシートに厚着のまま乗せるのは危険 日本小児救急医学会が…

  • 31年の歴史に幕……講談社の幼児誌「げんき」が休刊を発表
    商品・物販, 経済

    31年の歴史に幕……講談社の幼児誌「げんき」が休刊を発表

  • チョコスプレーをひとつずつ食べる息子……夫婦のキレキレなやり取りに18万いいね
    インターネット, おもしろ

    チョコスプレーをひとつずつ食べる息子……夫婦のキレキレなやり取りに18万いいね

  • 「携帯見せてください」令和の子どもが遊ぶ“進化したお店屋さんごっこ”が話題
    インターネット, おもしろ

    「携帯見せてください」令和の子どもが遊ぶ“進化したお店屋さんごっこ”が話題

  • これは完璧に隠れているね……2歳児の“本気のかくれんぼ”が可愛すぎる
    インターネット, おもしろ

    これは完璧に隠れているね……2歳児の“本気のかくれんぼ”が可愛すぎる

  • あなたならどうする?3歳とのババ抜きで丸見えのジョーカーに母、葛藤
    インターネット, おもしろ

    あなたならどうする?3歳とのババ抜きで丸見えのジョーカーに母、葛藤

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 宝塚宙組公演、25日に続き28日まで中止 主要出演者の体調不良で
    エンタメ, 舞台

    宝塚宙組公演、25日に続き28日まで中止 主要出演者の体調不良で

  • 「3色の鳥・ゆうちょバス 年金受取口座」篇
    エンタメ, 芸能人

    岡田将生さんが再び“謎の男性”に ゆうちょ銀行「ゆうちょバス」CM第2弾が放送へ…

  • 「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」26年2月15日放送開始 PROJECT R.E.D.第1弾
    アニメ/マンガ, 放送・配信

    「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」26年2月15日放送開始 PROJECT …

  • 宝塚宙組「PRINCE OF LEGEND」公演、25日の東京公演が急きょ中止
    エンタメ, 舞台

    宝塚宙組「PRINCE OF LEGEND」、25日の東京公演が急きょ中止

  • 住まいを選ぶ際の考慮
    社会, 経済

    「春と秋、こんなに短かったっけ?」約9割が実感する“二季化”と住まい選びに与える…

  • テキストエディター「EmEditor」でセキュリティインシデント 公式サイトのダウンロード導線に不正改変か
    インターネット, サービス・テクノロジー

    テキストエディター「EmEditor」でセキュリティインシデント 公式サイトのダ…

  • トピックス

    1. 「呪術廻戦」酷似ゲームを巡る騒動 公式声明後にApp Storeから姿消す

      「呪術廻戦」酷似ゲームを巡る騒動 公式声明後にApp Storeから姿消す

      人気アニメ「呪術廻戦」に酷似したスマホゲーム「特級呪術師」が配信され、SNSで物議を醸しました。公式…
    2. 「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」26年2月15日放送開始 PROJECT R.E.D.第1弾

      「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」26年2月15日放送開始 PROJECT R.E.D.第1弾

      東映は12月25日、11月に発表していた新番組「超宇宙刑事ギャバン インフィニティ」について、202…
    3. テキストエディター「EmEditor」でセキュリティインシデント 公式サイトのダウンロード導線に不正改変か

      テキストエディター「EmEditor」でセキュリティインシデント 公式サイトのダウンロード導線に不正改変か

      テキストエディター「EmEditor」を提供するEmurasoftは12月23日、公式サイトのダウン…

    編集部おすすめ

    1. 宝塚宙組公演、25日に続き28日まで中止 主要出演者の体調不良で

      宝塚宙組公演、25日に続き28日まで中止 主要出演者の体調不良で

      宝塚歌劇団は12月26日、宙組が東京宝塚劇場で上演している公演について、主要な出演者の体調不良により公演の実施が困難な状況が続いているとして…
    2. シートタイプのWebMoney

      WebMoney、事業をビットキャッシュへ承継 一部サービスは終了へ

      オンラインゲームの課金手段として知られる「WebMoney」が事業の節目を迎えます。auペイメントは2026年3月31日付でWebMoney…
    3. 「完全在宅」「未経験OK」のはずが…求人をきっかけに高額契約 消費者庁が注意喚起

      「完全在宅」「未経験OK」のはずが…求人をきっかけに高額契約 消費者庁が注意喚起

      育児などを理由に在宅で働きたいと求人サイトを利用した人が、結果的に高額な契約を結ばされるケースが相次いでいます。「完全在宅」「未経験OK」と…
    4. Netflix映画『10DANCE』

      Netflix「10DANCE」、海外SNSで広がる“困惑と魅了” 「情緒が崩壊した」人も

      Netflixで12月18日に配信が始まった映画「10DANCE」が、海外SNSで大きな反響を呼んでいます。BL作品であることに戸惑いながら…
    5. 「漆黒の指輪」は実在したものの……サン宝石、カプセルトイ「中二病が疼くリング」の“誇大表現”を謝罪

      「漆黒の指輪」は実在したものの……サン宝石、カプセルトイ「中二病が疼くリング」の“誇大表現”を謝罪

      アクセサリーや雑貨の販売で知られる「サン宝石」は12月16日、同社が展開するカプセルトイ「中二病が疼くリング」について、公式サイトおよびSN…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト