おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

『魔女の宅急便』ジジには本当は赤リボンがついてない?

キョトンととぼけた目線がとても愛らしい『魔女の宅急便』のクロネコのジジ。

目線をちょっと逸らしているだけなのですが、実はそれだけでジジというキャラクターの個性を最大限に引き出している秀逸なデザインになっているんですよね。

  • 【関連:『風の谷のナウシカ』~『ゲド戦記』までのジブリワッペン あなたはいくつ知ってる?】

    『魔女の宅急便』ジジ三体

    ジジのぬいぐるみは『魔女の宅急便』の劇場公開年である1989年に徳間ジャパンコミュニケーションズより発売されました。しかし1989年末のサン・アロー参入によってジブリ作品のぬいぐるみ製作は、徐々にサン・アローが行うようになっていきます。

    ジジのぬいぐるみ化の企画当初は、黒のぬいぐるみは売れないといったぬいぐるみ業界のジンクス等もあり、サン・アロー内部でも商品化までの道のりは一筋縄ではいかなかったとか。しかし蓋を開けてみればまさかの大ヒット!

    今やトトロに次ぐ勢いのぬいぐるみのシェアを誇っており、その種類たるやかなりの数にのぼります。真っ黒なぬいぐるみといえば「まっくろくろすけ」もあるのですが、こちらも企画当初は黒を避けてグレーだったそうです。しかし宮崎監督の指示もあって黒になったんだとか。

    と、いつの間にかサン・アローの話が始まってしまいましたね(笑)今回ご紹介しますのは、そんなジジの非売品ぬいぐるみにスポットを当てて進めたいと思います。まずは時系列的に徳間ジャパンコミュニケーションズ製のジジ2体です。

    『魔女の宅急便』宣伝用ぬいぐるみ

    こちらは首のリボンが通常版の赤とは違い、黒の生地のリボンにハートの模様が入っているタイプになっています。「89夏公開」の文字から見ても、書店などに宣材グッズとして置かれていたものかと思われます。

    89夏『魔女の宅急便』
    『魔女の宅急便』タグ 裏

    大きいぬいぐるみの尻尾には針金が入っており、ある程度は任意の形にすることが可能。尻尾のシルエットを壊さずに稼動をさせるためか、尻尾部分の針金の周りに綿ではなく型紙をメインにして形状を保っております。(しかしまげてばかりいつと型紙の劣化も早まり型崩れしやすくなります)

    『魔女の宅急便』尻尾可動 比較1
    『魔女の宅急便』尻尾可動 比較2

    あと、徳間製とサン・アロー製とではヒゲの色に違いが見られ、徳間製は白(透明)サン・アロー製は黒を採用しています。筆者の推測ではあるのですが、徳間製のものは本体が黒なので、ヒゲを引き立たせるために白という選択をしたのかな?と。サン・アロー製はあくまでも劇中に忠実な作りにこだわったのではないかと感じられました。が、が、がががががが!しかし!今やぬいぐるみのジジでは見慣れてしまっている首の赤リボン。あまりにも違和感が無いので気に留める事も無いのですが、改めて考えてみると劇中では何もつけていない黒猫キャラクターなんですよね(笑)
    やはり商品化するにあたって真っ黒だけではアクセントがなさすぎるからかもしれませんね。

    『魔女の宅急便』ジジの白ひげ

    もう一つ細かい特徴を挙げると、こちらは製品番号が入っていないタグになっているというのも特徴の一つです。
    そして小さいジジも徳間製のもの。映画公開の翌年にビデオカセット(アニメージュビデオレーベル)の販促品として、ビデオまたはLDを購入した人を対象に合計5万名にプレゼントされたものになります。先に紹介したぬいぐるみよりも更に小さいマスコット型のものですね。こちらのアニメージュビデオのおまけは、後にまとめて全種をご紹介しますヨ。

    『魔女の宅急便』ビデオ特典 マスコット

    そして最後に告知っ!
    今週の10月2日も公式ニコニコ生放送でスタジオジブリ作品『ハウルの動く城』をみんなで一緒に見よう<テレビ実況生放送>が放送されます☆出演者はもちろんいつもの3人組(笑)
    お時間がありましたら、一緒にハウルの動く城を見ましょ~。

    それではまた次回をお楽しみに~。

    (連載名:週刊!?ジブリグッズコレクション 文:くろすけ/@kurosuke4313

    あわせて読みたい関連記事
  • 【ジブリグッズラボ】千と千尋に登場する謎キャラクター 君の名は…盃さま?
    アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    【ジブリグッズラボ】千と千尋に登場する謎キャラクター 君の名は…盃さま?

  • 「風の谷のナウシカ」「ナウシカ危機一髪」「忘れじのナウシカ・ゲーム」
    ゲーム, コラム・レビュー・取材

    ウワサの「風の谷のナウシカ」ゲーム3作品を当時の資料で振り返る

  • スタジオジブリの「劇場用卓上スタンディ」
    アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    【ジブリグッズラボ】非売品の中でも人気が高い「劇場用卓上スタンディ」後編

  • アニメ/マンガ, ニュース・話題

    【ジブリグッズラボ】非売品の中でも人気が高い「劇場用卓上スタンディ」前編

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    【ジブリグッズラボ】多くの人形でみせる「コマ撮りコレクション」の魅力

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    マニア魂に火がついた「借りぐらしのアリエッティ」ミニ本コレクション

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    「もののけ姫」の日本生命グッズはマニア泣かせ えッ!まだあるのっ?てぐらい豊富す…

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    風の谷新聞にナウシカガール 「風の谷のナウシカ」公開当時をマニアが収集品とともに…

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    ジブリグッズコレクターがゆく「鈴木敏夫とジブリ展」東京会場編

  • アニメ/マンガ, コラム・レビュー

    ジブリグッズコレクターがゆく『ジブリの大博覧会』六本木編

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる
    エンタメ, 映画

    「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる

  • ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設
    企業・サービス, 経済

    ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設

  • 嵐・四宮社長が偽アカウント多発に注意喚起 「来年のツアー用新アカウントの予定もなし」
    エンタメ, 芸能人

    嵐・四宮社長が偽アカウント多発で注意喚起 「来年のツアー用新アカウントの予定も現…

  • カレーシチューに、フレンチサラダ、本当にまずかった脱脂粉乳他(2300円)
    イベント・キャンペーン, 経済

    昭和の“たのしい給食”が期間限定で復活 脱脂粉乳まで再現した「絶滅危惧食フェア」…

  • 新商品「うまかっちゃん<濃厚新味 あごだしとんこつ>」
    商品・物販, 経済

    焼きあごの香ばしさと細カタ麺の共演 「うまかっちゃん<濃厚新味 あごだしとんこつ…

  • 北海道産のチーズを2種類使った秋冬限定フレーバー「かっぱえびせん 北海道Wチーズ味」
    商品・物販, 経済

    北海道産チーズのW使い!「かっぱえびせん 北海道Wチーズ味」がこの秋登場

  • トピックス

    1. 汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      屋内と屋外で寒暖差が大きく、着る服に悩みがちなこの季節、SNS上で「エアリズムの上にヒートテックを着…
    2. 「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      2025年11月12日午前7時に配信された「State of Play 日本」にて、「ドラゴンクエス…
    3. アカウント1の投稿

      【前編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ある日の調査作業の過程で、SNS「X」上において、急成長中の越境EC大手「Temu」のサポート担当を…

    編集部おすすめ

    1. 床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      頭をぐりぐり動かしながら、床の上を滑っていく1匹のワンちゃん。飼い主さんが「モップ機能つき生ルンバ」と呼ぶビションフリーゼ・せとくんの動画が…
    2. 工場労働者2138人、1万時間の作業映像をオープンソース化 ロボット向け学習に活用

      工場労働者2138人、1万時間の手作業映像をオープンソース化 ロボット向け学習に活用

      工場向け自動化ロボットの研究開発を行うテクノロジー企業、Build AIが、工場労働者2138人による合計1万時間の作業映像をオープンソース…
    3. お菓子の家……ならぬ「つまみの家」誕生 お酒が進むオトナの創作料理

      お菓子の家……ならぬ「つまみの家」誕生 お酒が進むオトナの創作料理

      「解体しながら飲む」が合言葉。童話でお馴染みの「お菓子の家」を、そのまま大人向けに置き換えたような、その名も「つまみの家」がXに登場しました…
    4. 作業でたき火を燃やす新感覚クリッカー「たき火と猫」登場 癒やしと集中を両立するチル系ゲーム

      作業でたき火を燃やす新感覚クリッカー「たき火と猫」登場 癒やしと集中を両立するチル系ゲーム

      作業中に「猫」と「たき火」の癒やしを感じながら集中できる……そんな新感覚のゲーム「たき火と猫」のSteamストアページが公開されました。本作…
    5. アカウント1の投稿

      【後編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ※この記事は前編からの続きです。前編では、Temuを名乗る複数のアカウントを調査する中で見えてきた構図をお伝えしました。ここからは、Temu…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト