関東以西では桜の季節がそろそろ終わりに近づいていますが、ワイドショーやニュースでは連日気象予報士さんたちが「花散らし」という言葉を用いて桜の終わりを表現しています。
けれど、ミヤネ屋に出演中の気象予報士・蓬莱大介さんが「“花散らし”という言葉は実は、男女が一緒にお花見をしてその夜に営むことなんですよねえ」というようなことを真昼間から指摘してTwitterで話題になっていました。
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■辞書では暗喩っぽい表現?お天気の森田さんが紹介
ちなみに辞書に載っている意味としては「旧暦3月3日を花見とし、翌日若い男女が集会して飲食すること」とのこと。
後日“花散らし”の意味について気象予報士でウェザーマップ代表取締役の森田正光さんが「あまりに本来の意味に囚われると、自由な表現を狭めて息苦しい気象解説になってしまいます」とコメントする事態にまで発展。
森田さんの紹介によると、NHK気象ハンドブックには「もともとの意味は、…<略>… 旧暦3月3日に海辺で催す男女の酒盛りのことを言ったとされている。最近は桜の花を散らす強風を指して言うこともある」と書かれているんだそうですよ。
ちなみに東海テレビの正しい日本語講座コラム『空言舌語』でもこの箇所について紹介されたことがあり、それにはこんな指摘が加えられていました。「若い男女のことですから宴の後に……散るのは桜ではなかったのです。」と。
■官能表現の世界では“花”はアレ
ちなみに『官能小説用語 表現 辞典』によると、“花”を用いたものの多くは…<自重>…想像通りのものを指して使われています。
では、この時期に桜が散る様子を表現したい場合はどうすればいいのでしょうか?
調べてみたところ、
どうやら天気がいい場合は「花嵐」、雨が降っている場合は「桜ながし」を使うことが正解のようです。
まあ、お昼は花嵐を眺めて楽しんで、夜は花散らして……って本当に日本語って風情がありますね。
▼参考
花散らしは、下品な言葉か(Yahooニュース個人)
空言舌語 二百四十四『花散らし』(東海テレビ)
▼参考文献
『官能小説用語 表現 辞典』永田守弘 (ちくま文庫)
(文:貴崎ダリア)