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ボジョレー・ヌーボー解禁!通ぶりたい人向けの付け焼き刃「ワイン通っぽい台詞5選」

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 11月第3木曜日はボジョレー・ヌーボーの解禁日です。2016年は多くのワインを輸入しているサントリーが「果実味引き立つバランスのよい出来」とコメントしており、ワインファンから多くの期待が寄せられています。

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     今年は山梨にある中央葡萄酒株式会社のグレイスワイン「グレイス エクストラ・ブリュット 2011」がロンドンの権威あるデカンタ・ワールド・ワイン・アワーズでアジア初のプラチナ賞を受賞し、『クローズアップ現代』(NHK)でも放映されるほど話題になったり、シャンパンの輸入額が世界でも上位に躍り出るなど、そろそろワインブームが再来するのでは? とも噂されています。

     そんな中、ワインは飲みたいけれどウンチクを語るほど知識はない。でもあの子には格好いいところ見せたい!しったかぶりしたい! という人に向けて、ボジョレー・ヌーボーを飲んだ際にワイン通ぶれちゃうであろうセリフを編集部きっての飲んだくれで日本ソムリエ協会の正会員が集めてみました!

    ■その前に、ボジョレー・ヌーボーって結局何なの?

     ボジョレー・ヌーボーという言葉が独り歩きしすぎて、結局どんなワインなのか知らないという人は案外多いようです。
    まず、ボジョレーというのはフランスのワイン銘醸地であるブルゴーニュ地方最南の地区名です。そこで生産されるヌーボー、すなわち新酒のことをボジョレー・ヌーボーと言います。ボジョレー地区では新酒以外にもワインを造っています。

     ボジョレー・ヌーボーはガメイ種というタンニンが少ない黒ブドウ(ブドウの皮が黒いもの)を100%使用し、マセラシオン・カルボニックというブドウを収穫してから早くワインにして飲むための製法を利用してつくられているために独特な風味を持ちます。法律上、ボジョレー・ヌーボーは赤ワインとロゼワインのみで白ワインはありませんが、ボジョレー地区では白ワインもつくっています。

    ■ワイン通っぽい台詞5選

     というわけで、前述したボジョレー・ヌーボーの基礎知識を踏まえてワイン通ぶれるセリフを5選ご用意しました!

    ・「今年のボジョレー地区は寒暖差が結構激しかったのかな?」
    ご存知の通り、ヴィンテージすなわち収穫年でワインの味は変わります。それは毎年天候に違いがあるからです。実はブドウは寒暖の差が大きいと果実味が豊かになりやすいと言われています。つまり、寒暖差が例年よりも大きい=果実味が引き立っているから、という図式が成り立つことになり、聞いた人は「ワインに詳しいのかな?」と思ってくれちゃいますよ。

    ・「やっぱりバナナ香がするよね」
    ワインは使われているブドウ品種によって味や香りが違いますが、新酒ワイン造る上で採用されるマセラシオン・カルボニック(MC法)という製法でつくると、バナナのような独特な風味が感じられます。これは俗に言うMC香というもので、ワイン通は新酒ワインにこの製法が採用されていることを知っています。

    ・「マコネの新酒も飲みたいよね!」
    ヌーボーはフランス全土ならず、世界中で造られています。ボジョレー地区のお隣マコネ地区でもマコン・ヌーボーやマコン・ヴィラージュ・ヌーボーなどの新酒白ワインを造っています。意外とそのことを知らない人も多いようですが、ワイン通なら必ず知っているために、さらりと言ってみると格好いいかもしれません。

    ・「これならきっと、クリュ・デュ・ボジョレーも期待大だね」
    ボジョレー地区には特別な質を認められた最上の村が10あり、クリュ・デュ・ボジョレーと呼ばれています。しかしクリュ・デュ・ボジョレーでは法律の関係上ヌーボーをつくることは禁止されています。ヌーボーが禁止されているだけで、もちろん毎年その年のヴィンテージが記載されたワインはつくられているために、同じ地区のワインであるボジョレー・ヌーボーを飲んでクリュ・デュ・ボジョレーに期待を寄せてみる姿というのはワイン通そのものです。

    ・「ヴィーノ・ノヴェッロも気になってたんだけど結局飲んでなくて」
    ヴィーノ・ノヴェッロとはフランスと並んでワイン大国であるイタリアの新酒のこと。フランスよりも一足早い10月30日に解禁されるため、新酒を楽しみたいワインファンはこちらもチェックしていることが多いんです。「結局飲んでなくて……飲んだ人、どうだった?」と続ければ、ワイン通に「知ってるねえ」と思わせること間違いなし。ちなみにヴィーノ・ノヴェッロには赤、白、ロゼのワインがあります。

    ■ワインは難しいけど難しくない

     ワインは難しいから手を出しづらいという人が多いようですが、難しい知識やウンチクについてはプロや提供者にまかせておいて、消費者は自分の気に入るワインを探したり楽しく飲むことが何よりも大事です。ただし、自宅で美味しく飲みたい場合、ワインの温度だけは気をつけておかないと、美味しいワインも不味く感じられてしまうことに……。例えばボジョレー・ヌーボーの場合は14℃から16℃で飲むのが適していると言われていますが、例えば冷蔵庫に入れておいて出したものをすぐに飲むと酸っぱすぎたり苦味が強かったり、風味がほとんど感じられないことがあります。冷蔵庫の中はだいたい3度から6度。これは特に赤ワインを飲む上では低すぎる温度です。美味しく飲むためには、23℃の室内に出して、だいたい35分ほど放置しておくと適した温度になりますよ。

     今年もブドウの収穫を祝いながら、ボジョレー・ヌーボーを美味しく乾杯して楽しんでくださいね!

    <参考>
    日本ソムリエ協会教本2016

    (文:大路実歩子)

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