おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

怖すぎると話題の自称ゆるキャラ「ガジロウ」 ゆるくない理由を作者に聞いた

update:

「これはゆるキャラです」 作者であり兵庫県・福崎町役場の小川知男さんがこう言い張る、福崎町のPRキャラクター「ガジロウ」がどうみても泣く子も黙るレベルに怖すぎて話題です。これは……ゆるくない……。

  • 【関連:元祖ゆるキャラ『おーい!はに丸』、放送30周年記念してDVD-BOXが発売】

    ■誕生のきっかけは町長

    作者の小川さんはもともと絵や造形が趣味だったそうですが、このガジロウ誕生のきっかけは町長の一言だったと言います。

    同町では当時、「妖怪談義」の作者で知られる柳田國男さんの生家がある辻川山公園の池の美化に頭を悩ませていたそうです。そこで、一計を案じた町長が「公園の池がきれいにならないので、だったら濁ったままで河童でも出しといて」と指示を出し、絵や造形を趣味にしていた小川さんの心に火がついたのでした。

    「設置した26年はゆるキャラブームで乱立していましたので、どうせならむちゃくちゃ気持ち悪いのを作ったほうが目立つよね」と当時を振り返り語る小川さん。またゴミのポイ捨てをやめさせるという目的もあったとして「もともとナマハゲ的な要素を持たせたかった」ともガジロウに込めた思いを教えてくれました。

    こうした流れを経て、辻川山公園の池の中に現在置かれるガジロウの造形が完成しました。勿論元の造形も小川さん作。粘土で作ったものを業者に渡し実寸大に立体化してもらったそうです。

    なお、このガジロウ像。辻川山公園の池の中以外にも、町中にいくつか置かれています。JR福崎駅の駅前にはベンチで将棋を楽しむガジロウ像が置かれているそうです。

    ■ガジロウ、次の展開は全国区!?

    ガジロウは他にもグッズ展開が開始されており、『福崎町妖怪プラモデルシリーズ第1弾』として5月26日に価格1350円(税込)で発売されます。4月3日から予約受付が全国小売店で開始されていますが、2000個生産したところなかなかの予約ぶりだとかで「ホビーサーチさんで今1位なんです」と嬉しげに現在の状況を教えてくれました。ちなみに最初の生産は2000個ですが、足りなくなるようならば即再生産を検討するとのこと。もし一時的にネットオークションなどで高値で出品されても、決して手を出さないようにしてください。

    また、尻子玉という名のうずらの卵が入った『かっぱカレー』も4月に新発売されました。こちらはAmazonからでも購入可能。定価は一つ570円(税込)となっています。

    さらに、公園美化から始まったガジロウは、現在着ぐるみも用意されています。しかも2代目。町の大きなイベントにだけ出しているそうですが、小川さん曰く「メディアのオファーがあれば随時」と幅広い展開に野心を滲ませていました。

    町長の一言で誕生した自称ゆるキャラの「ガジロウ」。ネットでは以前よりちょこちょこ注目されていましたが、このところテレビでの露出も増えており今後ますますの活躍が期待されます。これまでご当地キャラクターといえば、熊本県の「くまモン」はじめ、可愛いキャラクターが中心でしたが、それもこのところ供給過多気味。もしかするとそうした隙を突いて、次の人気ご当地キャラクターの座をこのガジロウが射止めてしまうかもしれませんね。今後の活躍が本当に楽しみです。

    ・画像提供:兵庫県・福崎町地域振興課地域づくり係

    (宮﨑美和子)

    あわせて読みたい関連記事
  • 尼崎の珍スポット 頭蓋骨の博物館「シャレコーベ・ミュージアム」が閉館危機
    社会, 経済

    尼崎の珍スポット 頭蓋骨の博物館「シャレコーベ・ミュージアム」が閉館危機

  • そこはわさビーフ・クラスタたちの夢の楽園。兵庫・朝来の「ヤマヨシ直売所」に行ってみた。
    グルメ, 話題・知識

    そこは「わさビーフファン」たちの夢の楽園 兵庫・朝来に爆誕した「ヤマヨシ直売所」…

  • 神戸・元町にあるお肉屋さん「森谷商店」の揚げ物はめっちゃうまいで!
    グルメ, 商品・サービス

    神戸・元町にあるお肉屋さん「森谷商店」の揚げ物ってめっちゃうまいんやで!

  • 辻川山公園の逆さ天狗が「帰宅拒否」 小屋に戻れなくなった原因は…… 
    インターネット, おもしろ

    辻川山公園の逆さ天狗が「帰宅拒否」 小屋に戻れなくなった原因は……

  • 甲子園球場前の吉野家はタテジマ。「タイガース吉牛」のオリジナルメニューを食べてきた。
    グルメ, 話題・知識

    阪神甲子園球場前の吉野家「タイガース吉牛」の限定メニュー「六甲おろし牛丼」

  • 「ガジロウ2.0」に向けて。「OGAFES」に行ってきた。
    イベント・キャンペーン, 経済

    イベント目玉のレースは「出場レーサー65歳以上」 兵庫県福崎町で行われた「OGA…

  • 没後1周年を前に。ガジロウ生みの親の追悼イベント「OGAFES」が開催へ。
    イベント・キャンペーン, 経済

    没後1年を前に ゆるくないゆるキャラ「ガジロウ」生みの親祈念イベント開催

  • コスパの良さが三都の魅力。京都・大阪・神戸の「圧倒的アドバンテージ」に注目。
    社会, 雑学

    固有の面白さが三都の魅力 京都・大阪・神戸の「圧倒的アドバンテージ」に注目

  • 関西ではなつかしのお菓子「ぽんせん」を食す。
    グルメ, 作ってみた

    サクサク食感の素朴な味わい 関西ではなじみのお菓子「ぽんせん」って?

  • 兵庫のソウルフードパン「アベック」
    グルメ, 商品・サービス

    パン大好き兵庫ではおなじみ しかし全国的にはローカルな菓子パン「アベック」

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる
    エンタメ, 映画

    「ウォーキング・デッド」特化オークションが初開催 総額3億円超の落札集まる

  • ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設
    企業・サービス, 経済

    ヤマト運輸、「当日配送サービス」開始 同一都道府県内運賃も新設

  • 嵐・四宮社長が偽アカウント多発に注意喚起 「来年のツアー用新アカウントの予定もなし」
    エンタメ, 芸能人

    嵐・四宮社長が偽アカウント多発で注意喚起 「来年のツアー用新アカウントの予定も現…

  • カレーシチューに、フレンチサラダ、本当にまずかった脱脂粉乳他(2300円)
    イベント・キャンペーン, 経済

    昭和の“たのしい給食”が期間限定で復活 脱脂粉乳まで再現した「絶滅危惧食フェア」…

  • 新商品「うまかっちゃん<濃厚新味 あごだしとんこつ>」
    商品・物販, 経済

    焼きあごの香ばしさと細カタ麺の共演 「うまかっちゃん<濃厚新味 あごだしとんこつ…

  • 北海道産のチーズを2種類使った秋冬限定フレーバー「かっぱえびせん 北海道Wチーズ味」
    商品・物販, 経済

    北海道産チーズのW使い!「かっぱえびせん 北海道Wチーズ味」がこの秋登場

  • トピックス

    1. 汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      汗冷え対策は「ヒートテックの下にエアリズム」 ユニクロ公式発の裏ワザが再び話題

      屋内と屋外で寒暖差が大きく、着る服に悩みがちなこの季節、SNS上で「エアリズムの上にヒートテックを着…
    2. 「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      「ドラクエ7リメイク」にキーファ再会エピソード追加 衝撃展開にSNSでは「恨み節」も

      2025年11月12日午前7時に配信された「State of Play 日本」にて、「ドラゴンクエス…
    3. アカウント1の投稿

      【前編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ある日の調査作業の過程で、SNS「X」上において、急成長中の越境EC大手「Temu」のサポート担当を…

    編集部おすすめ

    1. 床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      床掃除はおまかせ!「モップ機能つき生ルンバ」と化すビションフリーゼがかわいい

      頭をぐりぐり動かしながら、床の上を滑っていく1匹のワンちゃん。飼い主さんが「モップ機能つき生ルンバ」と呼ぶビションフリーゼ・せとくんの動画が…
    2. 工場労働者2138人、1万時間の作業映像をオープンソース化 ロボット向け学習に活用

      工場労働者2138人、1万時間の手作業映像をオープンソース化 ロボット向け学習に活用

      工場向け自動化ロボットの研究開発を行うテクノロジー企業、Build AIが、工場労働者2138人による合計1万時間の作業映像をオープンソース…
    3. お菓子の家……ならぬ「つまみの家」誕生 お酒が進むオトナの創作料理

      お菓子の家……ならぬ「つまみの家」誕生 お酒が進むオトナの創作料理

      「解体しながら飲む」が合言葉。童話でお馴染みの「お菓子の家」を、そのまま大人向けに置き換えたような、その名も「つまみの家」がXに登場しました…
    4. 作業でたき火を燃やす新感覚クリッカー「たき火と猫」登場 癒やしと集中を両立するチル系ゲーム

      作業でたき火を燃やす新感覚クリッカー「たき火と猫」登場 癒やしと集中を両立するチル系ゲーム

      作業中に「猫」と「たき火」の癒やしを感じながら集中できる……そんな新感覚のゲーム「たき火と猫」のSteamストアページが公開されました。本作…
    5. アカウント1の投稿

      【後編】それでも私は、書くことを選んだ―― Temu不審アカウントに挑んだ無名記者の記録

      ※この記事は前編からの続きです。前編では、Temuを名乗る複数のアカウントを調査する中で見えてきた構図をお伝えしました。ここからは、Temu…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト